中学生の価値観を探る調査と「ユニフォーム・マジック」の検証
こどもたちの社会体験を提供する「キッザニア」を運営するKCJ GROUP株式会社が、2025年12月1日より「キッザニア白書2025」をWeb上で公開する予定です。本書では中学生の価値観と自己効力感に焦点を当てた二つの研究が紹介されており、特に注目されるのが「ユニフォーム・マジック」という概念です。
「ユニフォーム・マジック」とは?
「ユニフォーム・マジック」とは、こどもたちがキッザニアでユニフォームを着用することにより、彼らの感情や行動に与える影響を示す概念です。ミシガン大学経営学部のグレゴリー・ローレンス教授との共同研究により、ユニフォームが子供たちのチームワークに対する自己効力感を高めることが明らかになりました。
具体的には、ユニフォームを着ることで彼らの表情や行動が変化し、真剣な姿勢や嬉しそうな笑顔を見せることが観察されました。この体験によって、こどもたちの企業や組織に対する所属感が強まると同時に、自分と仕事を結びつけてポジティブに捉えることができるようになった様子が報告されています。
この研究は、2024年度にキッザニア東京・甲子園・福岡、キッザニアソウル、キッザニアサンタフェに訪れた小中学生1,443名を対象に行われました。調査方法は質問紙とWebアンケートを使用し、年齢や国による違いも調査されています。
中学生の価値観と自尊感情
もう一つの研究では、中学生の「価値観」と「自尊感情」に関して探求が行われました。自分の内面に気づき始める中学生が重視する価値観を分析し、今後の教育やキャリア支援に役立てることを目的としています。この調査を通じて、「楽しさ」や「自己決定」の価値観が特に強い傾向にあることが浮き彫りになりました。
調査の結果、自尊感情を育むためには「楽しい」体験や「自分で決める」経験が重要であることが示されています。この調査もWebアンケートを通じて行われ、12歳から15歳の中学生に焦点を当て、その価値観の多様性が確認されました。
特別対談と学生スーパーバイザーのインタビュー
さらに、「キッザニア白書2025」には、庭師・俳優の村雨辰剛氏を招いた特別対談も収録されており、彼が「好き」を原動力にして歩む道や職業観について語る貴重な機会が設けられています。
また、キッザニア東京・甲子園・福岡の学生スーパーバイザーによる座談会では、彼らの「働く上で大切にしていること」や「未来の自分像」についての意見も紹介され、こどもたちが主体的に行動できるよう心がけている姿勢が強調されています。
「キッザニア白書」って?
「キッザニア白書」とは、KCJ GROUPが大学や教育機関、専門家と共同で実施したさまざまなテーマの研究結果をまとめたものです。多様な価値観を持つこどもたちの様子や、彼らの成長に寄与するための情報が豊富に掲載されています。過去の白書も展開されており、教育分野での価値ある資料として広く利用されています。
このように「キッザニア白書2025」では、ユニフォームがもたらす心理的効果や中学生の内面的な価値観に対する洞察が提供され、今後の教育や社会体験の在り方に影響を与える情報が詰まっています。興味のある方は、ぜひ公式サイトでチェックしてください。