ZIAIの新しい挑戦: SNS自殺関連ワード検知システムの導入
日本では、自殺問題が深刻化しており、2019年の統計によると毎日55人が自ら命を絶っているという驚くべき事実があります。特に10代後半から20代にかけては、自殺が死亡原因の第一位となっており、経済的損失も年間数千億円にのぼります。こうした現状を受け、非営利のTech集団ZIAIはAIを活用したSNS自殺関連ワード検知システムのβ版をリリースしました。
背景と必要性
日本では現在、自殺に関するキーワードがインターネットメディア上で利用される際、厚生労働省や関連NGO、相談窓口の情報が表示される「プル型」の仕組みが主に使われています。政府もこの取り組みを強化していますが、推計される年間53万人の自殺未遂者に対して、SNS上での相談件数はわずか約2万件、この割合は全体の4%に過ぎません。全てのSOSを受け止めるためには、社会がその声を先回りして拾い上げる「プッシュ型」の仕組みが必要です。
SNS自殺検知システムの概要
ZIAIが開発したSNS自殺関連ワード検知システムは、インターネット上に公開された自殺に関する投稿をリアルタイムで自動収集するものです。このシステムは、収集したデータをもとにハイリスク者を特定し、AIが自動的にメッセージを送信できる機能を持っています。具体的には、アカウント名や投稿内容を整理し、AIとプロのカウンセラーの視点を活かしてリスクを評価します。これにより、ハイリスク者に対して迅速に支援が行える仕組みが整っているのです。
今後の展望
今後、ZIAIはこのシステムを活用して、オンライン相談を提供するNGOや医療機関、教育機関と連携していく予定です。具体的には、回答者へのオンライン・オフラインを通じての支援を強化し、SOSの声を社会全体で拾い上げる環境を整えていきます。この活動によって、自殺に関する問題に対する意識も高まることが期待されます。
ZIAIのミッション
ZIAIは、「自分を殺すのではなく、自分を愛せる社会を創る」ことをミッションに掲げています。メンバーは社会起業家やデータサイエンティストなど、各分野の専門家が集結し、テクノロジーを活用して自殺予防の仕組みを構築しています。ただ自殺行為を未然に防ぐだけでなく、その背景や原因を探求し、実際に支援を行うことが重要です。
ZIAIは今後も国や地方自治体、医療、教育機関、NGOとの協力を強化し、持続的な自殺予防策の開発に取り組む姿勢を崩しません。
ZIAIの基本情報
- - 名称: ZIAI(任意団体NPO)
- - 代表: 櫻井 昌佳
- - 所在地: 東京都渋谷区
- - 設立: 2020年4月1日
- - 公式サイト: ZIAI