食事補助非課税枠の倍増、40年ぶりの制度改革が実現に！

2025年12月19日、与党の自民党が公表した「令和8年度与党税制改正大綱」にて、食事支給に関する所得税の非課税上限が現行の月額3,500円から7,500円に引き上げられることが明記されました。この改訂は、約40年ぶりの重要な見直しを意味しています。

特に、飲食店や食事補助サービスを提供する企業が集まった「食事補助上限枠緩和を促進する会」は、この引き上げを長らく追求してきた結果、今回の改正にこぎ着けたと感じています。なぜ、今このタイミングで改定が必要とされているのでしょうか。

現在の制度の問題点

1984年に設定された3,500円という非課税枠は、当時の物価水準を考慮したものですが、それから40年以上が経過する中で物価は上昇を続け、外食や中食の価格も高騰しています。このため、現行の制度は時代遅れとなり、実際の食事補助の支給額とは程遠いものとなっていました。企業が従業員に支給する食事の非課税限度額を見直す必要性が急務だったのです。

特に、昨今の物価高は多くの企業や働く人々にとって深刻な問題であり、給料が上がらない中で生活コストは増加するという矛盾した状況にあります。今後、国税庁が正式な通達を行うまで確定ではありませんが、与党がこの引き上げを約束したことは、実現に向けた第一歩と言えます。

食事補助の制度の仕組み

食事補助制度における「非課税上限」は、企業が従業員の食事代を補助する際に、特定の条件を満たせばその金額が非課税扱いとなるというものです。これまでは、月額3,500円までの補助が非課税とされ、その条件には、企業からの補助がこの金額以下でなければならず、従業員が食事代の半額以上を自己負担することが要求されていました。今後、この非課税の適用額が7,500円に引き上げられることで、企業の経済的負担が軽減されることが期待されます。

また、今回の改正に伴い、企業は福利厚生の一環として食事補助を導入する動きが加速するでしょう。そうなると従業員は非課税の恩恵を受けるだけでなく、実質的な手取り額も増加することが期待できます。

期待される影響

食事補助枠の倍増は、企業の福利厚生を拡充させるだけでなく、経済全体にもポジティブな影響を及ぼすでしょう。福利厚生が充実すれば、従業員の生活が豊かになり、結果的に企業の業績向上にも寄与します。また、飲食業界全体の需要も喚起され、業界の活性化にもつながるでしょう。

最後に、食事補助非課税上限の拡大は、中小企業の人材確保や労働生産性の向上に寄与することが予想されます。本制度の見直しが実現すれば、企業、働く人々、そして地域社会の発展につながると信じています。引き続き、この制度の実現に向けた取り組みを支持し、各企業が新たな福利厚生の形を模索していくことが求められています。