東京貿易マテリアルが中国「用友」と提携
東京貿易ホールディングスのグループ会社である東京貿易マテリアル株式会社(通称TML)は、今月、中国の大手クラウド事業者である用友網絡科技股份有限公司(用友)の鉄スクラップAI等級判定システムを日本企業として初めて受注しました。この取り組みは、カーボンニュートラルの実現に向けた重要な一歩です。
背景
日本の鉄鋼業は年間約12億トンにも及ぶCO₂を排出する主要な産業であり、環境問題への対応が求められています。特に、電炉への転換が急務とされており、これによって排出量を大幅に削減することが期待されています。しかし、電炉を運営するためには高品質な鉄スクラップが不可欠であり、その品質管理が課題となっています。これまでの品質判定は、高度な技量を持つ検収員に依存していましたが、AI技術の導入によってその依存度を下げつつ、さらに精度を高めることが可能になります。
TMLの取り組み
TMLは、用友の鉄スクラップAI等級判定システムを日本市場に導入することで、以下の目標を掲げています:
- - 高精度な鉄スクラップの判定によって、電炉の安定稼働を促進し高品質な鋼材を生産。
- - 等級判定にかかる工程の省人化、効率化を実現し、現場の負担を軽減。
- - スクラップ検収技術の知識を次世代に伝承する支援。
- - 鉄鋼業界のカーボンニュートラル達成に寄与。
これらの取り組みにより、電気炉メーカーからの注目も集まっており、多数の引き合いが寄せられています。これにより、同システムの国内展開が加速することが期待されています。
用友網絡科技について
用友は、会計やERPなどの基幹業務ソフトウェアを提供する企業で、世界のソフトウェア市場でトップ10に入る実績を誇ります。鉄鋼業界のデジタル化を支援し、豊富な導入実績を有しています。これにより、TMLは用友との提携から多くのメリットを享受することができます。
今後の展開
TMLは、用友との連携を通じて、日本の鉄鋼業界における脱炭素化とデジタルトランスフォーメーション(DX)を同時に推進し、環境負荷の低減と産業競争力の強化を目指します。これにより、お客様や社会への貢献を一層強化していく所存です。
東京貿易マテリアル株式会社は、創業以来の鉄鋼関連事業を継承し続け、これからも「総合マテリアルプロバイダー」としてお客様のニーズに応えてまいります。鉄鋼業界の持続可能な発展に向け、今後も新しい技術導入を進めていくことで、より良い社会の実現に貢献していきます。