アークエッジ・スペースが手がけた画期的な衛星DENDEN-01
2024年12月9日、アークエッジ・スペースが開発した超小型衛星「DENDEN-01」が宇宙空間に放出される予定です。この衛星は関西大学、福井大学、名城大学と共同で開発され、最新のエネルギー技術を実証するために設計されています。
DENDEN-01の打ち上げ
DENDEN-01は、NASAのドラゴン補給船運用31号機(CRS-31)に積まれ、2023年11月5日11時29分にフロリダ州のケネディー宇宙センターからファルコン9ロケットにより打ち上げられました。約12時間後の23時52分には国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、今後、JAXAの指示に従い12月9日20時17分頃に宇宙空間へと放出される予定です。
DENDEN-01の特徴と目的
DENDEN-01は、1Uサイズ(10×10×10 cm)の超小型衛星であり、2021年度にJAXA及び大学宇宙工学コンソーシアムから公募された「きぼう」からの超小型衛星放出機会提供プログラム(J-CUBE)に選ばれました。今回のプロジェクトでは、温度変化に応じた物質の結晶状態の変化を利用した「固-固相転移型潜熱蓄熱材(SSPCM)」を用いた技術の実証を行います。これは、今後の超小型衛星開発に大きな影響を与えることが予測されています。
通信技術とデータ取得の実験
アークエッジ・スペースが地上との通信も担当しており、静岡県と東京電機大学のパラボラアンテナを使用して情報をやり取りします。また、独自に開発した920 MHz帯小型省無線通信システムによるバックアップ通信機能の検証や、省電力無線通信機を使用して地上のセンサーデータを衛星経由で取得する実験も行います。このストアー・アンド・フォワード技術により、宇宙からのデータ収集が効率的に行えることが期待されています。
次世代宇宙開発への寄与
アークエッジ・スペースは、超小型衛星コンステレーションの企画・設計から製造、運用までを一手に担うスタートアップ企業です。地域や産業ニーズに応じた宇宙技術の活用を通じて、より安全で豊かな未来を実現することを目指しています。今後は、地球観測や航行衛星通信、IoTデータ収集などの多様なミッションにも対応した技術開発を進めていく予定です。
本衛星の放出模様はJAXAの公式ライブ中継で視聴可能です。詳細な情報や今後の発表については、アークエッジ・スペースの公式ウェブサイトやDENDEN-01プロジェクトサイトをご参照ください。
私たちは、DENDEN-01の成功により新たな宇宙開発の時代が切り拓かれることを期待しています。宇宙の受容性が高まり、多くの人々に宇宙の利用が広がる契機になることでしょう。