関西大学とTRIGGER、若手アニメーター育成を目指す新システム開発へ

関西大学とTRIGGERの新たなアプローチ

関西大学がアニメ制作会社TRIGGERと連携し、アニメ業界に革命をもたらすアーカイブ検索システムの開発を進めています。このプロジェクトは、若手アニメーターの育成を目的としており、アニメ業界における貴重なリソースを活用する試みです。システムの完成は2026年4月を予定しており、初の公開発表は2025年3月8日の「ACTF（アニメ技術開発フォーラム）」にて行われる予定です。

アーカイブの重要性

アニメ制作の過程で生成される原画や動画といった中間生産物は、保存されないことが多く、一定期間後には廃棄されてしまうのが現実です。しかし、これらの素材は若手アニメーターが技術を学ぶための非常に貴重な資産であり、未来の創作に役立てられるものです。TRIGGERは、設立以来、この保存の重要性を認識し、作品クライアントからの許可を得ながら独自にアーカイブを行ってきました。

このたびのシステム開発においては、保存した膨大な資料を検索・閲覧できる環境を整備し、若手アニメーターが過去の技術を学びながらスキルを向上させられるような仕組みを構築することが狙いです。

技術を活かした新たな学習環境

プロジェクトには、関西大学総合情報学部の山西良典教授と、吉良山陽太さんが参加しています。山西教授は、デジタルアーカイブや情報検索技術の最前線を研究しており、この知見を活かしたシステムの設計を行っています。また、検索履歴のデータを分析し、アニメーターがどのような技術に興味を持ち、どの様な学習効果が得られるかを調査します。この結果を受けて、アニメーション技術の習得過程を体系的に整理し、業界全体のスキル向上を目指します。

初公開イベントの詳細

システムの初公開は2025年3月8日に東京で開催される「ACTF」にて実施されます。このイベントではシステムのデモンストレーションを行い、アニメ業界の関係者や研究者に活用事例を示す予定です。若手育成に特化したこの取り組みは、多くの関心を集めることでしょう。

TRIGGERについて

TRIGGERは2011年に設立されたアニメーションスタジオで、『自分たちが楽しめない作品はお客さんも楽しめない』をポリシーに、オリジナルアニメを多数製作しています。代表作には「キルラキル」「リトルウィッチアカデミア」「プロメア」などがあり、人材育成にも力を入れています。新たな学びの場を提供することで、次世代のクリエイターを支援することでしょう。

このシステムの実現を通じて、アニメ業界全体の未来に大きな影響を与えることが期待されます。