母親支援ランキング
2012-05-08 13:01:30
ノルウェーが母親支援で1位 日本は30位の現実と課題
子供支援の国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレンが発表した「母の日レポート2012」では、母親を取り巻く状況を世界165か国で評価した結果、ノルウェーが1位、日本は30位という重い結果が出ました。このレポートは、母親指標(Mother’s Index)、女性指標(Women’s Index)、子ども指標(Children’s Index)を用いて、国ごとの状況を総合的に評価しています。
2012年の母親指標ランキングでは、トップ3はノルウェー、アイスランド、スウェーデンの北欧諸国が占め、下位には開発途上国のニジェール等が名を連ねています。このような結果は、先進国と開発途上国の間の母親や子どもに関する健康状況や支援制度の違いを如実に物語っていると言えます。
特に日本とノルウェーの比較は興味深いです。日本は、特に女性指標においてノルウェーとの間に大きな差が存在し、働く母親に対するサポートが十分ではないことが問題視されています。ノルウェーでは、母親が産休を取得できる期間が最大46週間に達する一方で、日本はわずか14週間です。また、産休中の給与支給割合も、ノルウェーでは最大100%ですが、日本は67%に留まっています。このような制度の違いが、母親の満足度や出産後の生活に大きな影響を及ぼしています。
さらに、国会での女性の代表割合も大きな違いとなっています。ノルウェーでは約4割が女性議員ですが、日本はおおよそ3分の1というデータがあります。このように、社会全体での女性の地位向上が進んでいる国々に比べ、日本の現状は依然として厳しい状況です。
一方で、日本は子ども指標では3位という好成績を収めています。これは、5歳未満の子ども死亡率の低さや義務教育への就学率の高さが要因とされています。しかし、この挫折感を乗り越え、母親支援指標を向上させるためには、ノルウェーなどの北欧諸国と同等の産休制度の充実や男女に配慮した政治参加の促進が不可欠です。
最下位国のニジェールでは、妊産婦死亡率が非常に高く、特に医療従事者の立会いが特に少ないことが大きな問題です。妊産婦死亡率はノルウェーの7600分の1に対し、ニジェールでは16人に1人という状況です。また、5歳未満の乳幼児死亡率もノルウェーでは1000人中3人ですが、ニジェールでは143人という厳しい現実があります。この数値は、母子保健制度が整備されていないことを示しています。
今年の報告書では、乳幼児死亡の大きな原因である栄養不良問題が主要なテーマとなっています。その対策として提唱されているのが「Lifesaving Six(生命を助ける6つの方策)」です。この取り組みは非常にシンプルで、鉄分やビタミンの摂取をはじめ、母乳育児の徹底、安全な水の使用が中心です。これらを包括的に実施することで、1人当たりわずか20ドルで実現可能と言われています。
しかし、世界では100万人以上のコミュニティ・ヘルスワーカーが不足しており、サポートを必要としている途上国の母親と子どもを守るためには、さらなる取り組みが求められています。
「母の日レポート2012」の詳細に関しては、セーブ・ザ・チルドレンの公式サイトで確認できます。母親と子どもの生活を向上させるためのアクションを今こそ考えるべき時です。
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