2024年度単身者の食生活調査が示す新しい潮流
2024年度「えがおの食生活研究」が発表され、単身者における食生活の変化が浮き彫りになりました。この調査は、従来の食生活総合調査をもとに、特にコロナ禍における単身者の食生活の変化を詳細に分析したものです。調査結果によると、単身世帯の増加が進む中、食生活の満足度や調理習慣、手作りの概念が大きく変わってきていることが明らかになりました。
食生活の満足度向上
調査によると、コロナ禍を経て、単身者の食生活の満足度が大きく向上しています。特に20代男性の満足度は44.7%に達しており、これはコロナ禍中に「内食化」が定着した結果、家庭での食事の質が高まったことが背景にあると考えられます。食事を自宅で楽しむことが一般化し、生活の質が向上している様子が伺えます。
男性の手作り料理が増加
驚くべきことに、手作り料理をする単身男性の比率が増加しており、48.7%から52.6%に上昇しました。特に30代男性の手作り料理実践者が増加しており、その背景には若い世代の自炊への関心といった要因が考えられます。一方で、40代女性の手作り料理への参加が減少していることも注目されます。
手作りの概念が変わる
手作り料理の概念も大きな変化を見せています。生鮮食材を使った調理の割合は58.7%から46.7%に減少しており、用意する料理に対する考え方が柔軟になっています。コロナ禍以前の規範意識から解放され、少ない手間で済むものが好まれる傾向にあります。この現象は、現代生活における調理の簡便性と効率性を反映しています。
食事メニューへの重視点が薄れる
調査では、食事メニューに対する重視点が「ひとつもない」人が25.1%に達し、これは食生活や価値観が多様化していることを示しています。食事の手間を少なくし、短時間で作れることが重視される一方で、他の活動に時間を割く傾向も強まっています。このことから、食への重視度が以前よりも低くなっていることが分かります。
コンロ離れの現象
さらに、自宅にコンロを設置しない人が増加しており、特に20代と30代の女性には顕著です。調理よりも利便性を重視する人々が増え、電子レンジなどの調理器具に依存する傾向が強まっています。これにより、調理スタイルがより効率的で実用的なものに変わってきています。
まとめ
今回の調査結果からは、単身者の食生活におけるさまざまな変化が見えてきました。特に、食生活の満足度が向上していることや、手作り料理の概念が変わりつつあることは、現代社会における食に対する人々の考え方が変化していることを示しています。キユーピーはこれらの変化を踏まえ、食育の重要性を広めるための取り組みを続けていく予定です。