のん Ribbon展「怪しくて、可愛いもの。」
俳優・アーティストのんの新しい展覧会が2025年7月31日から10月13日まで国立民族学博物館で開催される。「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-」というタイトルで、リボンを使用した独特なアート世界が披露される。
この展覧会は大阪関西国際芸術祭2025の一環として行われ、国立民族学博物館の創設50周年記念特別展「民具のミカタ博覧会」とも連動した企画となっている。のん自身も、「リボンアートとしてリボンを使い続けてきた中で、今回は『群れる』というコンセプトを取り入れました」と語っており、アートとしての群体的存在を表現しつつ、多数の作品が一つの空間に集結する様子を展開する。
展示の内容とテーマ
展覧会では、のんがこれまでに手掛けてきたモチーフを元にした新作が披露される。具体的には、《背中に結んだリボン(こけし灯篭)》を含む15体のこけし灯篭や《真っ赤童の巣》が展示され、空間全体が可愛さと不気味さの融合を描き出す。特に、リボンを纏ったこけしたちは日本の伝統と現代アートの新たな融合を象徴しており、観覧者に新たな視点を提供する。
のんは展示について、「青森のお祭りで使うこけし灯篭を artisans と一緒に新しく作り、夏の花や果物をモチーフにしたりしています。この展示では、もともとあった proto タイプよりも群れとしての存在感を際立たせる構成を心掛けています」とコメントしている。具体的な展示に関しては、大小さまざまな赤べこや七夕飾りもあり、各作品がより一層のストーリーを持つ形で観覧者を惹きつける。
キュレーターと展覧会の意義
本展のキュレーターとして、元川崎市岡本太郎美術館の仲野泰生が関わっており、展示の意義について、「この展示は、1970年の大阪万博における太陽の塔と民族学博物館のつながりを強調するものです。のんのアートがこのコンテキストにおいて実現したことが、非常に重要」と語る。
鈴木大輔、大阪関西国際芸術祭の総合プロデューサーも、「国立民族学博物館の収蔵品や、Study:大阪関西国際芸術祭の各会場とともに、アートを通じた新体験を提供することが目的です」と述べた。
アートを取り巻く新たな視点
のんの作品は、可愛さと不気味さが共存するという二面性が特長としており、「リボンは可愛らしい装飾を象徴しますが、私の作品ではそれだけでなく、暗さや不気味さも感じられるようにしています。このような相反する要素が絡み合うことで、深い意味や感情を引き出す」と話す。
ただの展示にとどまらず、のんは観る人々に対して感情的な体験を促し、アートの持つ多様性を楽しむ機会を創出している。伝統工芸とのコラボレーションも特に注目されており、こけし灯篭や赤べこの作品は、地域の文化や歴史を現代的に再解釈する新しい試みといえる。
展覧会の概要
- - 名称: のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。-群れる-
- - 開催場所: 国立民族学博物館・特別展地下会場(大阪府吹田市)
- - 会期: 2025年7月31日(木)〜10月13日(月)
- - 入場料: 有料(チケット購入については公式サイトを参照)
- - 公式HP: https://osaka-kansai.art/
この展示は、観覧者に日本の伝統と現代のアートが交差する瞬間を提供し、アートに込められたメッセージを見つめ直す良い機会となるだろう。本展示を通じてのんの新たな視点と共に、観覧者自身の感受性を問い直す中で、アートの持つ力を体感してほしい。