介護業界の人材問題解決へ「はさま徳洲苑」がアシストスーツ導入
介護業界における人材不足は深刻な問題であり、多くの施設が新しい人材を求め続けています。その中で、千葉県船橋市にある医療法人徳州会が運営する介護老人保健施設「はさま徳洲苑」は、東京理科大学発のスタートアップ企業、株式会社イノフィスのアシストスーツ「マッスルスーツ Soft-Power®」を導入しました。
このスーツは、職員の働きやすさを向上させるために設計されており、導入からわずか3カ月で数多くのポジティブな反応が寄せられています。職員からは「夜勤明けの疲労感が減少した」「簡単に装着できる」「中腰での負担が軽くなった」といった声が続出しており、現場の環境改善が顕著であることが示されています。
介護業界の課題とアシストスーツの役割
現代の介護業界では、平均勤続年数がわずか7.9年という事実が明らかになっており、全産業の平均12.5年と大きな差があります。これは、介護という仕事が持つ身体的な負担が原因であり、職員の定着を妨げています。特に、腰痛が原因での離職が多く、業務に勤しむ職員が安心して長く働くためには、作業環境の改善が急務です。高齢化の進展により、ますます需要が増える介護ニーズに応えるため、ただ人員を増やすのではなく、職員が安心して働ける環境の構築が求められています。
スタッフの体験談
「はさま徳洲苑」での職員の声は、アシストスーツの導入がもたらしたメリットを如実に語っています。
中村正人 施設長(医師)
「私たちはスタッフが安心して働ける環境づくりを進めており、マッスルスーツはそのための重要な解決策の一つとなりました。初期投資は大きいですが、離職を防げればそれを上回る効果が見込めます。また、働きやすい環境は入所者へのケアの質にも直結しています。」
澤田洋子 主任(介護福祉士)
「腰痛の訴えが多く、休職を余儀なくされる職員もいましたが、マッスルスーツを導入したところ、装着した職員全員が腰の負担軽減を実感しました。特に夜勤や移乗時の作業において積極的に活用されています。職員の体調が改善することで、全体の雰囲気が良くなり、入所者へのケアの質向上にもつながっています。」
高橋千賀 介護支援専門員
「介護現場では腰痛による離職が多いですが、マッスルスーツがその固定観念を変えてくれました。軽量でシンプルなため、業務にも支障をきたすことがなく、職員の負担軽減が全体のサービス向上に結びついています。」
マッスルスーツ Soft-Powerについて
このマッスルスーツは、電源不要で様々な作業シーンで活用できるアシストスーツです。人工筋肉を利用した技術により、腰の負担を35%軽減できます。製造業や介護、農業など多様な現場でその効果は確認されており、使いやすさと効果を兼ね備えた製品となっています。
製造・販売されるこのスーツは、価格59,400円(税込)で、150cmから190cmの身長に適しています。医療現場の働きやすさ向上を目指すイノフィスは、今後もショールームを開設し、より多くの人々にこのアシストスーツの体験を提供していく予定です。
まとめ
「はさま徳洲苑」の取り組みは、介護業界の人材問題を解決するための新たな道を開いています。アシストスーツの導入により、職員が安心して長く働ける環境が実現されつつあり、これが介護の質向上につながることが期待されます。今後、さらなる技術革新が求められる中で、職場の環境改善が業界全体の持続可能性を左右する鍵となるでしょう。