VRで若者支援
2025-07-07 14:32:05

VR技術がもたらす心理的安心感と若者の支援の未来

VR技術がもたらす安心感の可能性



横浜市立大学の研究チームが新たに発表した研究は、仮想現実(VR)を活用した匿名対話が心理的支援にもたらす影響に焦点を当てています。彼らは、「プロジェクトエイリアン」と名付けられたNHKのドキュメンタリー番組を通じて、精神的な問題を抱える10代の若者3名にVR空間での交流を体験させ、その心理的変化を調査しました。この研究は、国際的なデジタルヘルス専門誌『JMIR Formative Research』に掲載され、注目を集めているのです。

研究の背景と目的


この研究では、見た目や先入観に縛られない形で心の内を語り合える環境を提供することを目指しました。対面での相談が難しい若者たちにとって、安心して話せる場所を設けることが、新しい心理的サポートの手段になる期待を寄せています。研究チームは、VRを用いたした画期的な対話形式が新たな支援の方法として機能する可能性を探求しました。

研究手法


研究は主に3つの時点で行われ、参加者が対話を行う前後での心理状態の変化を測定しました。調査手法には、自由記述形式での心理的特徴の評価、自己記入式の質問票を用いた心理指標データの収集、対話内容のテキスト分析が含まれています。

主な評価方法


1. 孤独感: UCLAロングスケール3短縮版で測定。
2. レジリエンス: 短縮版レジリエンス尺度を使用。
3. 抑うつ症状: PHQ-9で抑うつの頻度と重症度を評価。

研究結果


分析結果によると、VR空間での対話を経験した参加者の多くにポジティブな変化がみられました。特に、以下のような結果が得られました。

レジリエンスの向上


参加者全体でレジリエンスが改善され、特に一人の参加者では顕著な向上が見られました。

抑うつ症状の軽減


抑うつスコアに関しても、全体の軽減が確認され、ある参加者は「軽度」から「最小限」まで改善しました。

社会的つながりへの意識向上


参加者の間で孤独感は増加しなかったものの、他者とのつながりを求める気持ちが強まっていることが明らかになっています。

感情表現の変化


VR空間内での環境の変化(都市-宇宙船-月面)によって、参加者の感情表現がより豊かになり、自己開示が促進されたと考えられます。

参加者の声


番組内での参加者の発言には、同じような苦しみを持つ仲間が存在することへの気づきや、自身の可能性に対する前向きな気持ちが反映されていました。

今後の展望


研究を通じて得られた知見は、VR技術を用いた匿名対話が若者の心理的支援において重要な役割を果たす可能性があることを示しています。特に、新たな接続方法を提供することで、心の問題を抱える人々が気軽に参加できる未来の支援モデルの構築を目指しています。このような研究は、精神的な障壁を取り除き、より多くの若者にアプローチする手段として非常に有益となりそうです。

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この研究は、今後さらなる検証が行われることが期待されます。参加者の声や研究結果からも、新たな支援の可能性が広がっていることが感じられ、今後の社会実装に向けた進展が注目されています。


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会社情報

会社名
横浜市立大学COI-NEXT拠点 Minds1020Lab
住所
神奈川県横浜市西区みなとみらいオーシャンゲートみなとみらい 8F
電話番号

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