ヨコハマ海洋市民大学の講座「すごいぞ!横浜港」
2024年度のヨコハマ海洋市民大学の第4回講座が、9月5日(木)に横浜市中区の象の鼻テラスで開催されました。このイベントは、海に関する知識と経験を深め、地域社会における問題解決のための市民を育てる「海族」を目指す取り組みです。今回は、釣具店を運営する講師を迎え、特に「ヘチ釣り」という釣りのスタイルについて詳しく掘り下げました。
講師の紹介とヘチ釣りの魅力
講師は、株式会社I.D.Aの代表取締役、安藤友彰さんです。彼は元町で、ヘチ釣りに特化した釣具店を開店し、この釣りの魅力を広めるべく日々活動しています。講座は、「ヘチ釣り」を知っている人がどれくらいいるかから始まり、受講生の多くが初心者であることがわかりました。
安藤さんは、鶴見の岸壁での釣り動画を紹介し、そこには大きなクロダイが釣れる様子が映し出されました。道具はシンプルで、用意するのは短い釣り竿とリール、糸、錘、針だけ。これが、釣りをプレッシャーのない趣味にする一つの鍵なのです。
釣り業界の現状と安藤さんの考え
安藤さんは釣り業界の現状についても触れ、売り上げは増えているものの、釣り人口が減少していることに危機感を持っています。特に大型店の出現が影響し、小さな釣具店が減少しているとのことです。そして、彼の店での「釣って食べる幸せ」を感じてもらうことこそが、より多くの人に釣りを楽しんでもらうきっかけになると考えています。
また、講座を通じて釣りを経験した受講生には、その後の食育にも繋がるような体験を提供したいと強く願っています。これは、ただ釣って終わりではなく、釣った魚をどう食べるか、といったところにまで考慮を及ぼしています。
美しい横浜の海と食の文化
横浜の海は美しく、東京湾は世界一の魚種が豊富です。しかしながら、工場の排水などが影響し、釣れた魚を食べることへの抵抗感もあります。このため、安藤さんはSNSを活用し、釣った魚を持ち帰って食べることを広く発信しています。
地域に根付いた釣具店として、彼は賢明に地元の人々が釣りを楽しむための戦略を練り、考えてきました。安藤さんは3,000円台からヘチ釣りが始められるよう、道具を提供し、地域の釣り文化の復興を目指しています。これは負け犬市場からの脱却という視点でも、非常に意義ある活動だと言えるでしょう。
参加者の体験とその後
受講生は、実際に釣り体験をするために外に出ました。その結果、小さなクロダイや他の魚を釣り上げることができ、参加者たちは満足感に浸りました。安藤さんの講座は、単なる釣りのテクニックを教えるのではなく、海を感じること、そして魚に対する感謝の気持ちを育む活動でもあります。
このように、ヨコハマ海洋市民大学は「さあ、海へ行こう。」をテーマに、今後も市民がアクションを起こせるような講座を展開していきます。 こうした取り組みを通じて、自身のアクションを見つけ、海の大切さを感じる人々が増えることを願っています。
受講生からは、「釣りに対する見方が変わった」、「釣具店の社会的貢献に感動した」といった声も寄せられ、参加者にとっても意義深い時間だったことが伺えました。これからもこのような取り組みが続くことを期待しています。