株式会社カクヤスが10月1日より新たに「デジタルイノベーションセンター」を設立し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することになりました。このセンターの誕生は、飲食店や家庭向けの販売サービスを向上させることを目的としており、需要予測による在庫管理や配送業務の最適化など、市場の変化に対応した施策を盛り込んでいます。
設立の背景
コロナ禍において、自宅での飲食需要が急増したことから、特に家庭向けの売上が向上しました。この流れはコロナ禍明けにも続いており、配送件数が飛躍的に増加しています。しかし、200以上の拠点から商品の配送を行う中で、配送問題が顕在化。特に、すべての拠点を考慮して効率的な配送を実現する必要がありました。そこで、さまざまなデータを集約し、全体最適を図るために、デジタルイノベーションセンターを設立することとなったのです。
デジタルイノベーションセンターの役割
このセンターは「DX推進グループ」と「データ分析推進グループ」の2つから成り立っています。DX推進グループでは、現場の経験を持つ担当者が集まり、実際の業務の課題を解決する方法を模索します。一方で、データ分析推進グループは、データアナリストから成り、倉庫や店舗で集められたデータを詳細に分析し、サービスの質向上に向けたインサイトを導き出します。
例えば、店舗での空瓶回収作業を画像認識技術を用いて自動化することで、従来の手作業を効率化し、配送業務の負担を軽減することが期待されています。また、販売データと外部要因(天候やイベントなど)を組み合わせて地域ごとのトレンドを把握することで、肉薄する在庫管理を実現し、欠品を防ぐ体制を整えます。
今後の展開
デジタルイノベーションセンターを通じて、カクヤスは複雑なデータを一元化し、それに基づいた意思決定を追求します。この取り組みは、サービスの質向上に寄与し、顧客の多様化するニーズに応える基盤を築くことが目指されています。特に、配送の際に考慮しなければならない要素が多岐にわたるため、これまで以上に効率的で迅速なサービス提供が求められます。
「なんでも酒やカクヤス」は創業102年の歴史を持つ酒屋で、東京23区を中心に多くの店舗を展開しています。これまで培った経験と合わせて、デジタルイノベーションセンターがもたらす新しい価値平面の創出に期待が寄せられています。これからもカクヤスは、より良いサービスを提供できるよう、DXを推進し続けることでしょう。