MJOLNIR SPACEWORKSの資金調達とその背景
株式会社MJOLNIR SPACEWORKS(MSW)は、この度、シリーズAラウンドにおいて約3.1億円の資金調達を完了しました。この資金は、Incubate Fund、UntroD Capital Japan、三菱UFJキャピタルからの出資により実現しました。この資金調達により、MSWは創業からのエクイティによる累計調達額を約4.5億円に達しました。
ロケット関連の技術や製品の需要が高まる中、MSWは、安全で廉価なハイブリッドロケットエンジンシステムと無溶接タンクの開発・販売を加速し、宇宙関連企業への供給を拡大することを目指しています。これにより、宇宙開発の発展に貢献していく計画です。
宇宙市場の急成長とその必要性
近年、宇宙市場は急速に拡大しています。先進国はもちろん、新興国も宇宙開発に乗り出しており、人工衛星や宇宙輸送機の打上げ需要が急増。しかし、ロケットの打上げ数は不足しており、その上、打上げコストも依然として高額なままとなっています。これらの課題を克服するためには、ロケットの主要部品であるロケットエンジンやタンクの大量生産を進めることが不可欠です。
MSWのハイブリッドロケットエンジンは、構造がシンプルでありながら、安全性が高く、爆発リスクも低減されています。また、無溶接タンクの製造技術を活用することで、低コストで顧客に提供できる体制を整えています。
MSWの取り組むハイブリッドロケットエンジン
MSWが開発しているハイブリッドロケットエンジンは、そのシンプルな構造から高い量産性を誇ります。液体ロケットエンジンに比べ、開発・製造にかかるコストを抑えられるだけでなく、開発期間も短縮できます。特に、昨年11月には、40kN級プロトタイプエンジンの地上燃焼試験に成功しており、その安全性と信頼性は評価されています。
パートナー企業からのコメント
今回の資金調達に際し、インキュベイトファンド株式会社の赤浦徹氏は、MSWが低コストで安全性の高いハイブリッドロケットエンジンを開発していることに期待を寄せ、「我々は目指す『ロケットの大量生産で世界1を目指す』ミッションに向けて全力で支援していく」と述べました。
また、UntroD Capital Japanの小正瑞季氏は、MSWの開発チームの技術力と経験に対し高く評価し、ロケットの低コスト化と量産化に向けた取り組みを応援しています。
さらに、三菱UFJキャピタルの色川将吾氏は、宇宙市場の成長に伴う供給面の課題を解決するために、MSWの新しい可能性に期待し、「MUFGのネットワークを活用してMSWの成長に貢献する」とコメントしました。
株式会社MJOLNIR SPACEWORKSの概要
- - 設立: 2020年1月21日
- - 所在地: 北海道札幌市北10条西3丁目1-1 Noblesse SAPPORO 201
- - 代表者: Viscor Tor(ビスコア・トール)
- - 事業内容: 航空機や宇宙機器、飛翔体に関する設計、製造、販売
- - 公式サイト: MJOLNIR SPACEWORKS
今回の資金調達を経て、MJOLNIR SPACEWORKSは、その技術力を基に宇宙開発の未来を切り拓くための重要な一歩を踏み出したと言えます。これからの同社の展開には目が離せません。