AI技術による宝飾接客の革新
株式会社Sapeetは、AIとプロの接客技術を融合させた次世代の教育プログラムを導入することを発表しました。この取り組みは、74店舗を展開する宝飾品のセレクトショップ、株式会社ハピネス・アンド・ディとの協力により実現しました。この新しい接客教育システム『AIロープレ』は、2024年7月から8月にかけて一部店舗での実証が行われ、9月には全店舗での導入が予定されています。
背景と目的
近年、宝飾市場では金の需要が急増しており、ハピネス・アンド・ディはその需要の高まりに対応すべく、宝飾部門の強化を図っています。この背景を受けて、Sapeetが提供する接客教育プログラムが採用され、バイヤー自身の接客スタイルを見直し、より一層のサービス向上を目指すこととなりました。特に、最近注力している男性向けの宝飾品に焦点を当て、全ての販売スタッフの接客スキルを底上げすることが狙いです。
ハイパフォーマーAI分析とAIロープレ
この教育システムは、ハイパフォーマーと呼ばれる優秀な販売スタッフの接客をAIが分析し、その接客スキルを全スタッフに展開する2つのステップから成り立っています。
1.
ハイパフォーマーAI分析: 成績上位の販売スタッフの接客音声をAIが解析し、顧客の満足度を高めるための必要なスキルを明確にします。具体的には、スムーズな挨拶や顧客の好みに合った商品の提案などの「共通アクション」を抽出し、高品質な接客フローを定義します。
2.
AIロープレ: 定義された接客スキルをAIアバターを用いた対話型トレーニングで実践します。スタッフはいつでもどこでもトレーニングを受けられ、ヒアリング力や顧客対応力を効果的に向上させることが可能です。このロールプレイには評価機能も搭載されており、スタッフは自らの接客技術を定量的に把握しやすくなります。
実証研究の結果
2024年7月には、一部の販売スタッフに対してAIロープレのトレーニングが実施され、参加者からは「商品情報をしっかり理解できた」といったポジティブなフィードバックが寄せられました。また、ベテランスタッフからは「普段見落としている接客ポイントに気づいた」との意見もあり、このシステムの有効性が確認されました。
8月にはさらに20の店舗でのプログラムテストが行われ、この結果を基に9月から全店舗への展開が計画されており、全スタッフの接客力の向上が期待されています。
お客様への価値提供
Sapeetは、AIを駆使して接客力を全面的にサポートしつつ、各販売員の強みを活かしたサポートを行ないます。顧客に対しては、より良い購買体験を提供し、接客品質の向上を図ります。
この新しい取り組みは、Sapeetが掲げる「ヘルスケアや小売業向けのAIソリューションの提供」の一環であり、今後も宝飾業界以外での展開も視野に入れています。SapeetのAI技術は、接客と販売の効率を高める強力な助信となるでしょう。