西粟倉村発の挑戦
2024-05-24 15:00:01
脱炭素先行地域・西粟倉村が掲げる地域新電力の新たな挑戦
はじめに
岡山県西粟倉村が推進する「百年の森林構想」に基づき、地域のエネルギー課題に立ち向かう新電力会社「西粟倉百年の森林でんき株式会社」(略称:百森でんき)が、新たに太陽光発電設備を導入しました。この設備は脱炭素先行地域の取り組みにおける第一歩として位置付けられており、地域住民の生活に寄与することを目指しています。
新電力会社の設立とPPA事業
西粟倉村の持続可能な地域づくりのために設立された百森でんきは、2023年にスタートしました。村が掲げる「生きるを楽しむ」をもとに、地域資源をさらに活用していくことを狙いとして、PPA(Power Purchase Agreement)事業を導入しました。この仕組みは、地域住民が自宅の屋根を貸し出して太陽光パネルを設置し、その発電された電力を購入するという形をとります。
2024年5月15日には、初のPPA事業設備を記念した落成式が開催され、小学生たちによって名称が付けられた「みらい」にも大きな期待が寄せられています。名称には、再生可能エネルギーの重要性と未来の幸福を願う想いが込められています。
脱炭素先行地域としての取り組み
西粟倉村は、2022年に国のモデル事業「脱炭素先行地域」に選ばれ、流れる河川を利用した水力発電やバイオマス施設の運用を行っています。これらの取り組みは、地域資源を最大限に活用し、持続可能な村づくりを進めるための基盤です。
さらに、太陽光発電、蓄電池、EV充電設備の導入も行われ、村の生活環境の向上を実現しようとしています。百森でんきは、こうした取り組みの一環として、地域に自然由来のエネルギーを供給し、脱炭素化を進めています。
設備の概要
百森でんきが設置した太陽光発電設備の出力は30 kWで、81枚のパネルが利用されています。また、西粟倉村が設置した蓄電池は容量32.2 kWhで、1台が配置されています。EV充電スタンドも6基用意されており、このようなインフラ整備により地域住民の利便性を高めていくことが期待されています。
様々な協力と地域の期待
落成式は村内の構造改善センターで行われ、村長や環境省の室長などが出席しました。特に、西粟倉小学校の6年生が名付け親となった「みらい」という名称は、今後の再生可能エネルギーの発展を象徴しています。また、地域の他の事業者とも連携しながら、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めることが強調されました。
今後の計画
百森でんきは、今後も地域の再生可能エネルギー生産量の拡大を目指し、村内の公共施設を中心にPPA設備の導入を推進していきます。具体的には、令和8年度末までに全64施設でおよそ500kWの出力を見込んでいます。これにより、地域住民のより良い生活を支え、持続可能性の高い社会の形成に寄与していく所存です。
結論
西粟倉村の新たなエネルギーの取り組みは、地域の将来に向けたった重要なステップと言えます。地産地消を実現し、住民に安定した電力を供給できる体制が整う中、今後の進展が期待されます。地域全体で「みらい」を築いていくことが、脱炭素社会を実現するためのカギとなるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
西粟倉百年の森林でんき株式会社
- 住所
- 岡山県英田郡西粟倉村大字影石33番地1
- 電話番号
-
0868-79-2230