宇宙戦略基金と岩谷技研の意義
2023年、株式会社岩谷技研がSPACE COTAN株式会社と共に、自社の技術を駆使し、宇宙産業のさらなる発展を目指すべく、宇宙戦略基金に連携機関として参画することが発表されました。この基金は、日本の宇宙開発を支える重要な資金源とされており、民間企業や大学が大胆な技術開発に導入できる枠組みを提供しています。
施策の背景
代表機関として_SPACE COTAN株式会社_が掲げる「将来輸送に向けた地上系基盤技術」では、北海道に位置するスペースポート(HOSPO)の商業化を見越し、次世代の射場開発を目指します。具体的には、複数のロケットが高頻度で打上げることが可能となる技術の開発が行われます。その基盤技術として、地上系とロケット間のインターフェース共通化や、極低温推進薬の管理技術が位置付けられています。
実現に向けた取り組み
SPACE COTANと岩谷技研は、これまで培ってきた独自の技術を生かし、共同で様々な技術開発を進めています。特に注目されるのは、打上げ時の気象環境を正確に予測するための技術開発です。これにより、射点や飛行経路における風速、気温、氷結層などのデータを高精度に分析できるようになる見込みです。
さらに、通信インフラの共通化や、複数ロケットに共通して利用できる無線技術の開発も進行中で、すべてのロケットに対応した新たな管理システムの構築が期待されています。これらが実現することにより、2030年代前半には年間30回の打上げという政府のKPIを達成することが見込まれています。
宇宙産業の未来
宇宙戦略基金の目的は、日本が開発すべき宇宙関連技術を支援することにあります。具体的には、10年で1兆円を投じ、輸送衛星や探査機など、様々なプロジェクトを進めていくことが計画されています。この計画の下で、岩谷技研は宇宙の民主化を目指す『OPEN UNIVERSE PROJECT』を通じて、一般市民が宇宙体験を得られる機会を提供することにも力を入れています。
岩谷技研の役割と今後の展望
岩谷技研の代表取締役CEO、岩谷圭介氏は、今回の採択に関して「技術力を活かし、新たな宇宙関連技術開発に努める」と意気込みを述べています。高頻度打上げが実現すれば、宇宙産業の新たな扉が開かれることでしょう。
はたして、これらの取り組みが日本の宇宙産業を次のステージへ導くのか、今後の進展に大いに期待したいところです。岩谷技研とSPACE COTANの連携が、生み出す数々の技術が未来の宇宙開発をリードすることを願っています。