遺贈寄付の普及に向けた協力体制が強化
2024年6月27日、認定NPO法人テラ・ルネッサンス、認定NPO法人おてらおやつクラブ、一般社団法人日本相続知財センター本部の三団体は、遺贈寄付の普及を目指した協定書の締結式を行いました。このプロジェクトは、遺贈寄付に対する関心を高めつつ、非営利セクターにおける支援体制を強化することを目的としています。特に、2024年2月に日本相続知財センターの仲介によって成功した6,000万円の遺贈寄付がこの動きのきっかけとなりました。
高まる遺贈寄付への関心
日本ファンドレイジング協会の調査によれば、遺贈寄付に対する興味は年々増加しており、10年前の様々なデータをもとにすると、相続財産の寄付総額は2倍に達しています。「将来、資産があれば遺贈寄付を行いたい」と考える人も42.3%に及ぶとされています。これは、日本の高齢化やシングル世帯の増加が影響していると考えられています。そんな中、遺贈という仕組みは、故人の想いを社会に還元する重要な手段となっています。
協力体制構築の背景
締結式では、日本相続知財センター本部の鹿内氏が最近の遺贈寄付の実態について発表し、テラ・ルネッサンスの鬼丸氏が遺贈寄付を受け取る非営利団体の役割について語りました。また、おてらおやつクラブの松島氏は、今後目指すべき協力体制の具体的な内容を紹介しました。三団体は、遺贈寄付が社会を支える「当たり前」となるよう、長期的な連携を推進する方向性を強調しています。
具体的な取り組みと今後の展望
この協力体制は、遺贈寄付の普及のために3つの主要なアクションを設定しています。
1.
遺贈寄付の啓発活動
- セミナーやワークショップを通じて、遺贈寄付についての理解を深化させる。
2.
知識とノウハウの共有
- 遺贈寄付に関する情報を集約・共有し、団体間での協力体制を強化する。
3.
システム化の促進
- 遺贈寄付を支援するためのマニュアルやツールを整備し、実務的なサポートを行う。
さらに、遺贈寄付に関する無料ウェブセミナーも企画されています。内容はシンプルで、遺言や寄付の重要性をわかりやすく解説することを目指しています。これにより、次世代の寄付文化を育成する力強い基盤を築くことが必要です。
各団体の役割
テラ・ルネッサンスは、国際協力NGOとして、紛争や災害による被害者支援に取り組んでおり、国内では平和教育や政策提言を行っています。おてらおやつクラブは、子供の貧困を解決するために、お寺からのお菓子を支援団体を通じて届ける活動を展開し、日本相続知財センターは、相続に特化した専門家集団として、遺言文化を広める活動を行っています。
この三団体の協力によって、遺贈寄付の引き受ける側と寄付する側のコミュニケーションが円滑になり、社会全体で支えあう意識が育まれることを期待しています。これからの日本において、遺贈寄付がより身近なものとなることを願っています。