コスモ石油、新たな持続可能な航空燃料の道を拓く
コスモエネルギーホールディングスの子会社であるコスモ石油マーケティングが、東京都が推進する国産SAF(持続可能な航空燃料)利用促進事業において第1号の採択を受けたことが発表されました。このプロジェクトは、国内初の大規模な国産SAFの供給を羽田空港に実現することを目指しています。
国産SAF利用促進事業とは
東京都が全国で初めて立ち上げたこの事業は、航空燃料の脱炭素化を進めるだけでなく、東京都の国際競争力を高めることを狙いとしています。国産SAFと海外産SAFとの価格差を東京都が補助することで、安定的な供給と市場の発展を図ります。
コスモ石油マーケティングは、この事業により羽田空港を利用する航空会社に国産SAFの利用拡大を期待しています。これにより、持続可能なエネルギーの普及が進むことが見込まれています。
SAFの特色と製造体制
供給されるSAFは、2021年に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「国産廃食用油を原料とするSAF製造サプライチェーンモデルの構築」に関連する助成事業として採択された取り組みの成果です。このプロジェクトでは、国内で初めて大規模に国産SAFが生産される予定です。
SAFは、持続可能な製品に対する国際的な認証制度である「ISCC CORSIA認証」と「ISCC EU認証」を取得しているため、その品質や持続可能性が保証されています。
これらのSAFは、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYによって製造され、コスモエネルギーグループを通じて、2025年度から羽田空港に就航する航空会社に供給される予定です。
企業の取り組みと将来展望
コスモエネルギーグループは、「2050年カーボンネットゼロ」という目標を掲げ、日本初の国産SAFの供給に向けたサプライチェーンの構築を進めています。また、SAFの原料となる廃食用油の市民回収をサービスステーションで実施し、社会全体での持続可能な取り組みを促進する試みも行っています。
今後も、脱炭素化や循環型社会の実現に向け、航空輸送におけるSAFの利用推進に注力します。これにより、資源循環とサステナブル社会の実現に貢献しつつ、社会的課題の解決に寄与することを目指してまいります。
この新しい国産SAFプロジェクトの進展が、航空業界の未来にどのような影響をもたらすのか、今後の動向から目が離せません。