名古屋市オフィスマーケット、空室率が9ヶ月連続で改善の兆し

名古屋市のオフィスマーケット見通し

名古屋市におけるオフィスマーケットが着実に動き出しています。三幸エステート株式会社が2025年6月度のオフィス賃貸状況を発表し、空室率が9ヶ月連続で低下したことが報告されました。これは、移転需要の増加と地元経済の回復を反映した結果と考えられます。

空室率の現状

名古屋市全体の空室率は3.29%となり、前月比で0.18ポイントの改善を示しています。特に、主要エリアである名駅、栄、伏見エリアでは、空室率の低下が顕著であり、特に栄エリアでは2022年5月以来の2%台が迫っています。これは企業の移転戦略が進んでいることを物語ります。

また、潜在空室率も4.75%と減少傾向にあり、業界全体がオフィスの需要を取り戻しつつあることがうかがえます。テナントからの需要は拡張を目的とした前向きな内容が中心であり、特に立地条件が良好なビルの品薄感も高まりを見せています。

募集状況

一方、募集賃料は小幅に上昇し、12,624円/坪となりました。前月から35円の増加を記録しましたが、全体としては12,000円/坪台半ばでの推移となっています。この動きはテナントの移転需要が続いていることを示唆しています。

新規ビルの動向

伏見エリアでは、今年10月に竣工予定の「名古屋伏見Kフロンティア」が注目されています。このビルではテナント誘致が順調に進んでおり、特に移転を検討する企業からの関心が高まっています。6月に設置されたモデルルームへの訪問者数が増加しており、移転を計画するテナントの利用意向が高まっていることが反映されています。

今後の展望

名古屋市のオフィス市場は、移転需要や新規ビルの竣工など、ポジティブな要因が重なり、さらなる改善が期待されています。企業のオフィス戦略は変化し続けており、特に地価の高騰が予想されるため、新たなオフィススペースの確保が急務となるでしょう。これからの動向に注目が集まります。

名古屋市のオフィスマーケットは、現在のトレンドを維持しつつ、さらなる進展が期待される中で何が起きるのか、業界関係者の反応や市場の動きが注視されます。今後の発表にも注目し、動向を追いかけていきたいと思います。