Silanna UVが福岡で新技術を発表
オーストラリアの半導体メーカー、Silanna UVが2023年11月12日から17日まで福岡で開催される第14回窒化物半導体国際会議(ICNS-14)で、自社の新しい遠UVC LED製造技術を紹介します。この独自技術は、空気や水、さらには表面の殺菌を安全かつ効果的に行うことができ、低メンテナンス・低電力の特性を持つことが大きな特徴です。
Silannaの分子線エピタキシー(MBE)プロセスを担当するジェシカ・チャイ(Jessica Chai)が11月14日(火)に講演を行います。このセッションでは、Silanna UVのLEDに用いられているGaN/AlN SPSL(短周期超格子)ナノ構造のSiドーピング特性について詳しく解説し、製造技術の特性や利点を示すテスト結果も紹介します。
遠紫外線(Far UV-C)LEDの重要性
遠紫外線(Far UV-C)LEDは、現在の消毒技術において非常に注目されている存在です。240nm以下の波長の光は、病原体を効果的に不活性化できる一方で、従来のUVCに比べて人間に対して安全性が高いとされています。そのため、240nm以下のLEDは特に需要が高まっています。
従来技術の課題
従来のバルクAlGaN法では、遠紫外線波長用の高Al AlGaNの製造に多くの課題がありました。しかし、Silanna UVの特許取得済みのIII-窒化物SPSL技術は、これらの課題を克服しており、実証実験では236nmで18mW、1Aの出力を達成する240nm以下の遠紫外線(Far UV-C)LEDの開発に成功しました。この技術は、フリップチップデバイスとしても実績を示しています。
Silanna UVの会社概要
Silanna Groupは2006年に設立され、2008年にはペレグリン・セミコンダクター社に買収されました。それ以来、個人出資で立ち上げたSilanna UVは、ISO 9001:2015認証を取得し、UV-C LEDでのソリューションプロバイダーとして成長を続けています。オーストラリア・ブリスベンに本社を持つ当社は、水質センサーやガスセンサー、さらにはHPLC(高速液体クロマトグラフィー)アプリケーション向けの遠紫外線光源の提供にも注力しています。
革新を続けるSilanna UV
独自のエピタキシー技術を駆使して、Silanna UVはUV LED技術を230nmから265nmの範囲で短波長化し、深紫外線(deep UV-C)や遠紫外線(far UV-C)を含む新たな可能性に挑戦しています。このような革新により、Silanna UVはUV波長の限界を押し広げ、未来の殺菌技術の発展に寄与しています。さらに詳しい情報は、
Silanna UVの公式サイトをご覧ください。