オハヨー乳業とベネッセ、教育ICTで未来を育む
オハヨー乳業株式会社(岡山県岡山市)が、株式会社ベネッセコーポレーションとの協力により、小学校向けICT学習教材「これからの食料生産とわたしたち~持続可能な酪農業を考えよう~」を開発しました。この教材は、2025年3月から全国の公立小中学校に届けられる予定で、10,200校におよぶ360万人の児童に利用されます。
取り組みの背景
近年、GIGAスクール構想により、多くの小中学校でタブレットを活用した授業が広がりを見せています。この中で、子どもたち自身が課題を設定し、情報を収集・分析・発表する探究学習の重要性が一層高まっています。一方、学校現場からは「実践的な探究学習の教材が不足している」といった意見が多数寄せられていることが背景にあります。
オハヨー乳業では2022年から岡山県内の小中学校を対象に、牛の模型を用いた搾乳体験などを実施し、延べ3,500人以上の児童に教育を行いました。しかし、これまでの取り組みは単発的で、一方通行になりがちな情報発信にとどまっていました。
そこで、教育の専門家であるベネッセとの連携が決まりました。2024年7月からは新しい双方向型の食育モデルが構築され、子どもたちが自発的に学ぶ機会が増えることでしょう。
教材の概要
新たに開発された教材は小学5年生の社会科におけるテーマ、つまり持続可能な酪農業について学ぶ内容になっています。本教材では、日本の食料自給率や酪農家の担い手不足といった社会課題、そして持続可能な酪農業のあり方について考えます。
ICTの活用によって、子どもたちは以下のような学びを実現できます:
- - 自分たちで考え、調査し、まとめ、発表する能動的な学び
- - タブレットを用いた協働学習の促進
- - リアルタイムでの意見交換やフィードバック機能
- - 従来の一方通行の授業スタイルを超えた深い理解の獲得
昨年度の実績
2025年2月には、岡山市立浦安小学校にて「これからの酪農において私たちにできること」をテーマにしたプレゼン大会が開催されました。より子どもたちが自己表現する場を設け、参加することにより、保護者や地域社会の酪農に対する関心も高まりました。
家庭への展開
学校での取り組みが好評を得たことで、ベネッセの家庭向け学習サービス「進研ゼミ小学講座チャレンジタッチ」にも本コンテンツが展開されることとなりました。これにより、学校と家庭の連携を深め、教育効果を最大化する取り組みが促進されます。
今後の展望
オハヨー乳業は、長年にわたり食育活動を行っており、「ミルクフェア」や「牛乳レシピ・絵画コンクール」など多岐にわたるイベントを実施しています。2022年からはこの取り組みをさらなる普及拡大へと進め、岡山を起点に次世代の食育を推進していく方針です。学校現場での探究学習を通じて、牛乳への愛着を生み出し、酪農業界全体の底上げに貢献していくことが期待されます。