半導体製造を革新する「Peacott」の登場とその効果

株式会社河合電器製作所が新たに発売した「Peacott」

日常生活の様々な場面で進化を続けるAI、IoT、5G、スマートデバイスなど、今の時代に欠かせない半導体。この半導体の生産性向上に寄与する独自技術が、株式会社河合電器製作所から新たに発表されたヒーター用アクセサリー「Peacott（ピーコット）」です。

「Peacott」は、特許出願中の独自技術によって開発された製品で、高熱伝導性を持つ素材に特殊な加工を施しています。この加工により、温度管理と取り扱いの容易さを両立させることに成功。これにより、半導体製造装置メーカーが求める均熱性へのニーズに応える形で設計されています。

様々な用途に対応した3つの種類

「Peacott」は、「フィルム」「ラバー」「セラミック」の3つの異なる素材から構成され、それぞれが求められる最高使用温度やサイズなど、用途に応じたスペックが用意されています。これにより、食品機械や金型用加熱装置、熱プレス機など、多岐にわたる製造プロセスにおいて必要な均熱を実現します。

特に、熱源であるヒーターと加工対象物の間に「Peacott」を挟むことで、最大1%以内の高い均熱性を達成。これにより、均熱にかかる時間も従来より64%も削減され、迅速な処理が可能になりました。加えて、消費電力量も約20%削減できるため、コスト面だけでなく、SDGsの目標に向けた取り組みにも貢献する結果となります。

半導体製造業界の未来を見据えて

半導体製造は、シリコンウエハーという平滑な円盤に回路を刻み、その後個々の半導体に加工する過程を経て行われます。シリコンウエハーから得られる半導体の数が多ければ多いほど、製造コストを軽減できるため、様々な分野での利用促進に繋がります。

「Peacott」を使用すれば、シリコンウエハー全体に均一な加熱が可能となり、歩留まりの向上とともに生産効率の改善にも寄与します。その結果、今まさに課題とされる半導体不足への解決策の一端となるでしょう。

日本の半導体産業の活性化

最近では、日本政府が「台湾積体電路製造（TSMC）」の国内誘致と、ラピダスという半導体メーカーを設立するなど、国を挙げた半導体産業の国産化を推進しています。これにより、日本国内の半導体生産は今後加速するものと予想されています。

河合電器製作所は1929年に創業して以来、「熱」の力を活かした革新的なソリューションの提供に努めてきました。今後も、独自の技術を基に、社会的な課題解決に貢献していく所存です。

協業先であるクライアントに対しては、既存のヒーターと組み合わせてさらなる均熱効果を示すオーダーメイドの提案もしています。