Z世代のファッション選びに見る新たな価値観とは?
ファッション界において、Z世代(1990年代半ばから2010年代初頭に生まれた世代)の影響力がますます強まっています。最近、株式会社ザ・ゴールが実施した全国調査によると、彼らの服選びの基準は従来の世代とは大きく異なっていることが明らかになりました。
1. Z世代は「ハートで」服を選ぶ
調査の結果、Z世代は「自分へのご褒美」や「インフルエンサーの投稿」に影響されるなど、内発的な動機で服を購入することが多いことがわかりました。一方、世代が上がるにつれて、外的な要因—例えば「季節に合わせて」「セールや割引」など—が購買動機として強くなっています。つまり、Z世代はファッションを単なる購買行動ではなく、「自分らしさを表現する手段」と捉えているのです。
このことから、彼らが選ぶ服は、自分の感情や個性を反映したものであることが伺えます。クローゼットが充実している30〜50代とは異なり、Z世代は新しい服を通じて自らの感情を解放し、自己表現を楽しんでいるようです。
2. スマホからの衝動買い
また、Z世代にはスマホを通じた衝動買いが多い傾向があります。調査によると、オフラインだけでなくオンラインでの衝動買いも高い比率を示しており、SNSやECサイトを利用することで、感情を即座に購買行動に結びつけることができています。この特徴により、Z世代は時間や場所を気にせず、欲しいと思った瞬間に購入を決断することが多いと考えられます。
3. 誰のためにファッションを選ぶのか?
興味深いことに、Z世代は特に「推し」と呼ばれる存在を意識し、自己表現やファッションの選択に影響を受けています。彼らは、友人や恋人といった身近な人々との関係性の中で、ファッションを選ぶ傾向が強いのです。これは、30〜50代が不特定多数の目を意識して選ぶスタイルとは異なり、Z世代は自身の価値観を反映した「意味のあるつながり」を求めていることを示しています。
4. ブランド物語への共感
最後に、Z世代はブランドの物語や背景に共鳴し、そこに価値を見出しています。調査では、彼らは「価格」や「コスパ」よりも、ブランドが語るストーリーやその世界観を重視していることが明らかになりました。このようなナラティブ消費は、彼らのファッションの選び方に新たな視点をもたらし、「どのように自分を重ねるか」が購買の大きな要因となっています。
まとめ
Z世代のファッション購買行動は、彼らが求める「自分らしさ」や「意味あるつながり」を反映した結果であったことが分かりました。購買の動機や意識対象は、全てこれらの要素に結びついており、「物語に参加すること」が重要なメッセージです。これからのブランドは、彼らが自分の物語を語りたくなるような余白のある世界観を提案し、共に歴史を築く関係性を大切にしていくことが求められるでしょう。今後もザ・ゴールでは、Z世代のリアルな動向を分析し、企業のマーケティングやブランディングに役立つ情報を提供していきます。