更年期症状に立ち向かう革新的なバイオマーカーを発見したaiwell株式会社

aiwell株式会社が制服更年期症状に対するバイオマーカーを発見

東京科学大学認定のベンチャー企業、aiwell株式会社（以下「aiwell」）が新たに、女性の更年期の症状に関連するバイオマーカーを特定したことを発表しました。この発見は、ホットフラッシュ（発汗やほてり）や気分変動（憂うつやいらいら）といった問題を抱える多くの女性にとって、希望の灯となることでしょう。

バイオマーカー探索の背景

aiwellは、この研究に産婦人科の専門家である高尾美穂医師と協力し、女性の健康課題である更年期症状の解明に取り組んでいます。具体的には、29名の血液検体を用いて、AI技術を駆使した「aiwell IPA」による網羅的なタンパク質解析を実施しました。その結果、ホットフラッシュや気分変動に密接に関連する数十個のバイオマーカーが発見されました。

今後は、検出したバイオマーカーの正確な同定と、症状のメカニズムを解明するためのさらなる解析を進めるとともに、医療現場での実用性を確保するための臨床試験にも挑む予定です。

更年期症状が社会にもたらす影響

更年期症状は、時に重篤化し、仕事を辞めざるを得ない事態を招くなど大きな社会問題となっており、経済産業省の試算によると、このことによる経済損失はなんと1.9兆円に達することが示されています。これは、さまざまな業界において、女性が抱える健康問題が企業活動や経済全体に影響を与える重要な問題であることを示しています。

しかし、現状のホルモン値に基づく検査サービスは、閉経前後の女性ホルモンの変動が大きいため、必ずしも有用ではないとされるガイドラインも発表されています。つまり、従来のアプローチでは限界があるということを、医学界でも認識しつつあるのです。

aiwellの取り組みと今後の展望

aiwellは、新たに発見されたバイオマーカーを医療機関や製薬会社、検査関連企業に提供することで、より高精度な検査や診断、治療法の実現を目指しています。また、資金調達も行い、臨床試験を通じてこれらの取り組みを推進していく予定です。

aiwell株式会社について

aiwellは、タンパク質を高精度に解析し、AIでその変化を把握する独自の技術「aiwell IPA」を開発しました。質量解析を基盤にしたこの技術は、従来の方法に比べて迅速なバイオマーカーの探索を可能にします。

また、同社は、新川崎にプロテオミクスイノベーションセンター（通称PIC）を設立しており、様々な産業界でのタンパク質解析に貢献しています。さらには、数件の特許を取得し、独自の技術によって多様な市場ニーズに応える姿勢を示しています。