シニア層の新たな実態を探る
株式会社Hakuhodo DY ONEが発表した「令和シニア白書」は、シニア層の行動やライフスタイルの変化を詳細に分析したレポートです。本研究は、デジタル接触機会の増加という現代の背景を踏まえて行われ、シニア層もまた積極的にデジタル領域にアクセスし、生活を充実させている新たな姿を浮き彫りにしています。
令和シニアの誕生
最近、65歳以上のシニア層は“令和シニア”と称され、彼らの行動傾向には多くの興味深いトレンドが見られます。具体的には、平日可処分時間が6時間以上という回答が過半数を占め、過去には見られなかった活動的な生活が浸透しています。これにより、企業がターゲットとすべき重要な層としてシニア層が浮上してきたのです。
特に、シニア層が親の介護から離れつつあり、60代後半になると介護への不安を抱える割合が約15%にまで減少しています。このように、シニア層は育児や介護から卒業し、自由な時間を持つようになっているのも一因です。
デジタルメディアとの親和性
調査によれば、シニア層の約70%が検索サイトを利用し、さらに80%以上が何らかのSNSを使用しています。このことから、シニア層はデジタルネイティブに近い存在であることが分かります。特に、YouTubeやX(旧Twitter)などの利用では、娯楽よりも情報収集やニュース閲覧が主な目的になっていることが指摘されています。
新しいことへの挑戦
このように、余暇が増えたシニア層は新たな挑戦にも意欲的です。調査結果では、女性シニアの約40%が「新しいことを始めた」と回答しており、特に運動系やアウトドアが人気を博している様子が伺えます。加えて、大学入学や通信講座といった学びの場にも積極的に参加し、好奇心を満たそうとしています。
まとめ
Hakuhodo DY ONEの「令和シニア白書」は、シニア層が今後のマーケティングにおいて重要なターゲットであることを再確認させる内容となっています。彼らが持つデジタルに対する親和性や、新しいことへのポジティブな姿勢は、企業側にとっても新たなビジネスチャンスとなることでしょう。これからのマーケティング戦略は、こうしたシニア層の特性をしっかりと捉え、効果的にアプローチすることが求められます。