高山で実現する新たな寄付の形
岐阜県高山市の「hotel around TAKAYAMA」が、宿泊客からの不要衣類の寄付を受け付ける新たな仕組みを導入しました。この取り組みは、宿泊客、特に海外からの旅行者が、旅行中に不要になった新品同様の衣類を客室に残して帰る傾向が高まっていることを背景にしています。
宿泊客の想いを社会貢献につなぐシステム
ホテル内のオープンクローゼットには「不用品寄付シール」が設置されています。宿泊客は、寄付を希望する衣類にシールを貼ることで寄付の意思を表明します。チェックアウト後、客室の清掃スタッフが寄付対象のアイテムを回収し、専用のボックスに保管。それらは高山市社会福祉協議会や救援衣料・フードチャリティー実行委員会を通じて、必要とされる方々に寄付されます。
対象となるアイテムは、衣類、靴、防寒具、タオルケットなど再利用可能なもので、月に約10件の寄付が見込まれています。
環境問題と福祉を同時に解決
日本国内では、年々約51万トンの衣類が廃棄され、その多くが焼却処分されている現状があります。また、多くの生活困窮者がいる中で、こうしたホテルでの寄付活動が新たな社会貢献の形として注目されています。この取り組みは、宿泊客に社会貢献の機会を提供しつつ、環境的な資源の有効活用も促進します。
「GOOD LOCAL」を実現するために
「hotel around TAKAYAMA」の理念は、旅人と地域との「GOOD LOCALな出会い」を創出することにあります。この寄付活動もその一環であり、宿泊客の心意気を地域支援へとつなげるものです。ホテル、お客様、地域の共同作業によって、小さな善意が大きな成果につながることを目指しています。 旅先での簡単な選択が、他者の大きな支えとなる。この温かいつながりをこれからも大切にしていく考えです。
連携団体とグリーンズの社会的責任
「救援衣料・フードチャリティー実行委員会」は1981年に設立された地域の市民団体で、寄付活動を通じて地域の人々の支援に寄与しています。株式会社グリーンズは、地域貢献の一環としてこの活動に参加し、環境にも配慮した企業であることを追求しています。彼らは「TRY!NEXTJOURNEY」という経営ビジョンを掲げ、持続可能な開発目標(SDGs)の実現にも取り組んでいます。
まとめ
「hotel around TAKAYAMA」の新しい寄付の仕組みは、宿泊客が旅行の際に発生する不要物を地域の福祉に役立てるという新しいスタイルの一例です。このような取り組みが全国に広がり、より多くの人々の心に寄り添ったサービスが実現していくことを期待します。地域社会との結びつきを大切にしながら、さらに環境を考慮した活動に励んでいく姿勢が求められます。