ダイナミックな未来を切り開く
近年、太陽光発電におけるケーブルの盗難が増加しており、多くの発電所がその被害に悩まされています。これに対抗する為、株式会社オーエフ(東京都港区)は新たなアプローチとしてドローンを使った防犯サービスの開発に取り組んでいます。これらの実証実験は、共同で運営を行うNAPAドローンアカデミー(株式会社TRIPLE7、東京都渋谷区)とともに実施され、その効果が注目されています。
増加するケーブル盗難の現状
太陽光発電の普及とともに、発電所今まで以上の数が立ち上がっていますが、それに伴い発生するトラブルも増加しています。特にケーブル盗難は、発電所の運営コストや効率に深刻な影響を与えています。この問題に取り組むため、従来の手法として警備員の配置や監視カメラが一般的ですが、これらは高額な人件費や設置コストが問題視されています。また、犯人を特定する能力が不十分であることも課題です。
オーエフの新たな試み
オーエフは、ドローンが持つ快速かつ正確な移動の利点を生かすことで、この問題を解決しようとしています。具体的には、ドローンに人感センサー技術を搭載し、24時間体制で有人監視センターと連携するシステムを構築することにより、効率的かつ経済的な監視を実現します。このドローンは、特に昼夜を問わず運用が可能で、即座の反応が期待されています。
実証実験の内容と成果
2025年7月、栃木県内の特高発電所で実施された実証実験では、以下の点を重点的に検証しました:
1.
威嚇と抑止効果
- 夜間のライト照射による視覚的威嚇の確認
- スピーカーの音量や内容が心理的に与える影響の評価
- サイレン音の種類や構成による有効性の分析
2.
センサー検知精度
- 赤外線カメラによる人物検知能力の評価
- 昼と夜の熱環境による検知性の差異の分析
- 可視カメラとの併用および各種設定の評価
3.
飛行安定性と自動運用
- 通信やセンサー強度の確認
- バッテリー消費の分析
- 地形に基づくウエイポイント設定の検討
実証実験では、ドローンを使った巡回と威嚇が非常に高い盗難抑止効果を発揮することが確認され、今後の導入に期待が寄せられています。ただし、設置環境や近隣住民への影響を考慮した最適化が求められる点も理解されました。
今後の展望
オーエフは、次のステップとして、自社の監視カメラとのAPI連携や、有人監視センターとの無人飛行の検証を計画しています。また、保険会社との協議を進め、太陽光発電事業者が安心して運営できるような保険内容の拡充も視野に入れています。これにより、より安全な運営環境の実現を目指しています。
株式会社オーエフの概要
オーエフはエネルギーとネットワークインフラにおける設計や施工、保守運用サービスを一手に提供しており、全国に1,500以上の太陽光設備のメンテナンスを行っています。今後もこれまでの経験を活かして、進化し続けるサービスの提供を行っていく予定です。