冬における子どもの朝の起きづらさ
冬は多くの家庭で、「なかなか起きない」という子どもの声が聞かれる季節です。一般社団法人 起立性調節障害改善協会が実施した調査によると、92.9%の保護者が冬は他の季節よりも子どもが起きるのが難しいと回答しました。
調査結果の概要
この調査は、小学生から高校生の子どもを持つ保護者292名を対象に行われ、冬の特有の現象「起き渋り」についての実態が浮き彫りになりました。特に注目すべきは、その原因と家庭の対策です。
起きづらさの主な要因
調査では、起きづらい理由として「寒くて布団から出られない」という回答が約半数を占めました。この他にも、生活リズムの乱れや、精神的な側面も影響していることが明らかになりました。たとえば、夜遅くまで寝なかったり、学校に行きたくないという気持ちが子どもにある場合も多いようです。
家庭での起こし方
子どもを起こす方法については、最も多くの家庭が「声かけ」を行っていることがわかりました。また、部屋を暖める、明るくするなどの工夫をする家庭も見受けられます。物理的な環境調整が大切な要素となっていることが、調査で確認されました。
冬特有の不調
冬に見られる子どもの不調についても調査され、4割以上の家庭では特に不調がないと感じています。しかし、17%以上の子どもが「体が動きにくい」や「強い眠気」を訴えていることが確認され、注意が必要です。
調査を通じて見えた課題
この調査から、冬はただ寒いだけでなく、子どもの体調や気持ちに対しても影響を及ぼす季節であることがわかりました。寒さ以外でも、生活リズムの乱れが大きな要因となっていることから、家庭での早寝早起きが重要とされています。また、起き渋り対策として「早めに寝かせる」という意見が多く寄せられましたが、対策を特にしない家庭も19.3%と一定数存在しており、現実には多くの家庭が手探りの状態であるとも考えられます。
季節を理解し、寄り添う姿勢
起立性調節障害のような自律神経の乱れが原因で朝起きるのが難しいこともあります。このため、保護者は子どもの体調や気持ちに柔軟に寄り添う姿勢が求められます。朝起きられないからといって怠けているわけではなく、寒い冬の朝に特有の困難があることを理解することが重要です。
冬の朝は、ただ起きられないのではなく、起きづらい状況だと捉えて、少しでも子どもの負担を軽くする方法を共に考えていくことが求められています。家庭での温かいサポートを通じて、この時期を乗り切っていくことができるでしょう。