『慈しむ男』日米同時出版
2011-07-01 10:03:50
国際アワード受賞作『慈しむ男』、日米同時出版決定
2011年7月1日、国際的な小説アワード「ゴールデン・エレファント賞」の第一回大賞を受賞した『慈しむ男』(著:荒井曜)が、日本とアメリカで同時に出版されることが決まりました。この画期的な出来事は、現役の会社員である著者の処女作が国際的に評価され、世界に向けて発信されることを意味しています。
「ゴールデン・エレファント賞」は、2009年に設立され、日本のクリエーターによるオリジナル作品を世界に広めることを目的にした国際的小説賞です。主催者たちは、プロ・アマを問わず幅広い作家を対象にし、多様な作品を集めています。本アワード初の受賞作品である『慈しむ男』は、150作品を超える応募の中から選ばれた秀作です。
本作は、「コウノトリポスト」と呼ばれる、望まれずに生まれた赤ちゃんを救うための制度をテーマにした犯罪小説です。物語は、1991年に宮崎県の慈育病院で始まり、虐待を受けていた赤ん坊が病院の救助を受け、その後成長する過程で犯罪者へと変貌していく様子が描かれています。
慈男という名の少年は、頭脳明晰な優等生として成長する一方で、日本中を恐怖に陥れるテロや殺人事件を引き起こす悪魔的存在となっていきます。彼の真実の姿を暴くため、警察は特捜本部を設置して捜査を進めますが、なかなか手がかりをつかむことができません。この緊張感のあるストーリー展開と、深いテーマ性の描写が、評価を受ける要因となっています。
荒井氏は本作の中で、虐待の経験者を守るために活動するNPO法人の代表という理想主義者の役割を慈男に持たせ、彼の内面的な葛藤を深く掘り下げています。このような多層的なキャラクター描写が読者を惹きつける要素になっているといえるでしょう。
今回の出版は、日本の文芸界において新たな潮流をもたらすことが期待されています。著者は、自身の作品が多くの国で読まれることに大きな意義を感じており、今後の活動についても積極的に取り組む意向を示しています。『慈しむ男』は、文芸に限らず、社会問題に対する強烈なメッセージを持つ小説として、今後の読書市場で注目を集めることでしょう。
本作の出版を手掛けるエイ出版社とVertical, Inc.は、作品の配信を通じて、より多くの読者に届けるため努力を重ねています。新たに形成されたこの国際的なネットワークが、日本の作家が世界で活躍するための土台となることを期待されています。また、第二回の「ゴールデン・エレファント賞」の選考も進行中であり、今後も優れた作品の発掘に力を入れていくとのことです。
『慈しむ男』は、ストーリーの深さとキャラクターの魅力を兼ね備えた一作として、すべての読者に新たな体験を提供することでしょう。これからの展開にもぜひ注目したい作品です。
会社情報
- 会社名
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株式会社エイ出版社
- 住所
- 東京都世田谷区玉川台2-13-2 玉川台ビル1~5F
- 電話番号
-
03-3708-5181