企業の健康経営を考える：休職者・離職者の増加とその対策

株式会社エムステージが実施した調査によると、企業における健康経営に対する取り組みの重要性が再認識されています。特に、コロナ禍後のフィジカルヘルスおよびメンタルヘルスの不調者が増加していることから、休職や離職の問題が喫緊の課題となっています。本記事では、この調査結果を基に、企業の人事・労務担当者が感じている現状と、それに対する具体的な対策について考察します。

調査背景と目的

健康経営の理念に基づき、持続可能な経営の実現を目指す企業が増えています。しかし、実際には「健康経営が必要とされていることは分かっているが、急を要する問題ではない」と感じる担当者が多い現実もあります。エムステージでは、フィジカルヘルスやメンタルヘルスの不調者が増加する中で、これを防ぐための対策に焦点を当てるべきだと考え、400名の人事・労務担当者に対してアンケート調査を実施しました。

調査結果の概要

休職者・離職者の現状

調査結果によると、約3割以上の担当者がコロナ後に健康不調者が増加したと感じていることが明らかになりました。具体的には、フィジカルヘルス不調者やメンタルヘルス不調者が1か月以上休職したり、離職したケースが見受けられ、特に不調が原因での離職者数が増加しています。

企業の対応状況

また、35.8％の企業が専用のオペレーションを持っていないという結果も浮き彫りになりました。これは、問題が発生した場合に適切に対処するための体制が整っていないことを示しています。さらには、約半数の担当者が「問題の発生を未然に防ぐ仕組みが整っていない」と回答しており、危機感が強まっています。

対処にかかる手間やコスト

発生した事象への対処に多くの時間を割いている担当者が多いことも注目されます。特に、フィジカルヘルスやメンタルヘルスの不調者の対応に4人に1人が時間を費やしているとのこと。この負担は残業を生み出し、さらに担当者のストレスを増大させています。特に不調による離職者の代わりの採用にかかるコストは年間約85万円とされ、企業にとっての大きな負担となっています。

健康経営の重要性

このような結果を受け、企業は「起きるを防ぐ」仕組み作りにもっと注力すべきです。健康経営を推進することで、従業員が安心して働ける環境を整え、結果として生産性の向上にも寄与すると考えられます。エムステージは、健康経営のためのトータルサポートを提供しており、この取り組みが企業の持続可能な発展につながることを目指しています。