大阪・関西万博の集客解析
2025年4月から10月までの184日にわたって開催された大阪・関西万博は、累計約2,901万人を超える来場者を迎えました。このイベントの集客状況を詳しく分析するため、株式会社unerryが提供する人流ビッグデータ「Beacon Bank」を用いて、来場者の動向を探りました。
調査の背景
万博開催前から様々な意見が交わされる中、終盤には急増する来場者数が観察されました。特に、9月末には入場券が売り切れるという賑わいを見せる一方、地域ごとの来場タイミングには顕著な差があったことが明らかになりました。
このため、unerryは約2.4億IDのデータに基づき、各都道府県の初回来訪者データを分析し、その熱量の広がり方を見える化しました。
調査結果の要点
大阪府の初回来訪中央日は7月2日で、最も遅かった高知県は8月11日であり、この間には40日の差が存在しました。これは、初動の熱量が地元大阪を中心に集中していたことを示しています。漏れのないプロモーションや地域メディアの影響もあったと考えられます。
地域間の初動熱量
開始からの約40日は、地域によって熱量に差が見られました。開幕直後、大阪、奈良、兵庫が先行し、その後愛知、京都、三重などの近隣県にも熱が拡大しました。これにより「初期集客」が形成され、全国へ波及していきました。
全国波及は、交通機関を通じてサポートされ、特に新幹線や航空便を利用することで、全国各地から来場者が増加しました。
リピーターの重要性
万博開幕後、お盆以降にはリピーターによって集客が維持される構造に変化しました。このリピーターは、地元大阪府の住民だけでなく、遠方から来場した人々も多く含まれています。興味深いことに、大阪府民の約40%が2回以上訪問しており、万博の魅力に取り憑かれています。
また、平均来訪日数も大阪府が3.46日と長く、リピーターの中には「超ファン」と呼ばれる長期滞在者も存在しました。これが万博の魅力をより一層引き立てています。
おわりに
10月13日に万博の幕が閉じた際、全国から集まった人々が共に過ごした感動を胸に、新たな日常に戻っています。本調査からは、万博がどのように地域間で異なる影響を与え、またそれがリピーターへとつながったのかが明確に示されました。今後、unerryはデータ解析を通じて、こうした社会の動きをより詳細に把握し続けていきます。