EX-Fusion、4億円の資金調達に成功
株式会社EX-Fusionは、シリーズAラウンド(エクステンション)にて、総額4億円の資金を調達したことを発表しました。この調達は、JX金属株式会社、パーソルベンチャーパートナーズ合同会社、SBI新生企業投資株式会社を引受先として実施され、EX-FusionのシリーズAでの累計調達額は30億円、全体の累計は60億円に達しました。
背景
現在、地球温暖化の問題やエネルギー資源の枯渇が問題視されている中、二酸化炭素を排出せずに持続可能なエネルギーを自国で生産できる核融合技術への期待が高まっています。EX-Fusionは2021年、挑戦的な分野であるレーザー核融合に取り組み始め、「日本発の革新的なエネルギー技術を生み出す」というビジョンを掲げてきました。
レーザー核融合は、その特性から日本の電力インフラにとって欠かせない技術と見なされており、実験段階を経て商用化に向け進行中です。同社は、この技術を通じて日本から世界に誇れるエネルギー資源を提供しようとしています。
資金調達の目的
今回の資金調達は、1秒間に10回の核融合反応を連続で生じさせる「連続運転」の実証に向けた重要なステップです。この取り組みは発電の枠を超え、広く加工、医療、宇宙産業などにも影響を与えるポテンシャルがあります。EX-Fusionは、レーザー核融合を基盤にした新たな産業の創出を目指し、持続可能なエネルギー社会を構築するための挑戦に挑みます。
エクステンションラウンドの出資企業
- - JX金属株式会社
- - パーソルベンチャーパートナーズ合同会社
- - SBI新生企業投資株式会社
今後の展望
EX-Fusionは、レーザー核融合エネルギーの開発を通じてクリーンエネルギー市場をリードしていく意向です。これまでの開発で得た光制御技術や高出力レーザー技術を活かし、以下の3つの方向に事業を拡大させていきます。
1.
国内でのレーザー核融合実証機の構築
2027年度を目指し、「1時間連続中性子発生」の実証に向けた実証機の設計・製作を進めます。自社の技術を基にした国内ハブの構築を目指します。
2.
国内外の連携による社会実装
国立研究機関や企業との連携を強化し、持続可能なエコシステムを構築しながら自社技術を社会に実装する体制を整えていきます。
3.
光技術の産業応用
レーザー加工など、多様な産業分野への応用を進め、大手企業との共同プロジェクトを展開します。
レーザー核融合エネルギーの特長
レーザー核融合エネルギーは、低放射性廃棄物を生成しない安全なクリーンエネルギーであり、海水から得られる燃料を使用します。原子力発電に比肩する発電量を持ち、負荷変動にも対応できる柔軟性があります。EX-Fusionは、この新たなエネルギーの可能性を最大限に引き出すことで、未来のエネルギーの形を変えていくでしょう。