NHKアニメで再注目の名作『新訳赤毛のアン』が登場!
2025年3月22日、株式会社KADOKAWAから待望の新訳『新訳赤毛のアン』が世に出ます。この作品はカナダの名作文学の中でも特に愛され続けている作品の一つで、今春から放送が始まるNHK Eテレのアニメ「アン・シャーリー」にも大きな期待が集まっています。
物語の概要
本作のあらすじは、偏屈な年寄り兄妹のマシューとマリラが孤児院から働き手として男の子を引き取ることから始まります。しかし、彼らの元にやってきたのは赤毛でそばかすだらけの少女アン。最初はアンを追い返そうと思うマリラですが、彼女の独特な魅力に引き込まれていきます。自然が豊かな美しいプリンス・エドワード島を舞台に、夢見る少女が繰り広げるおかしな騒動が感動を呼び起こします。笑いあり、涙ありのストーリーは、世代を超えて多くの読者たちに共感されています。
担当編集は「展開が早く、主人公アンのキャラクターが強烈で非常に面白い」と感想を述べています。若い頃に読んだ方は、アンの視点での失敗を重ね合わせ、大人になって読むともやはり彼女の魅力に心を打たれるとのこと。マリラが心の内で抱える愛情や気持ちに共感し、再度アンの世界に引き込まれます。また、作品の舞台となるカナダの自然描写も素晴らしく、読者を惹きつけてやまない要素の一つです。
河合氏による魅力的な翻訳
新訳の最大の特徴は、英文学者で東京大学教授の河合祥一郎氏によるものです。河合氏はアンの文学少女としての魅力を引き出すために、独特のロマンティックな想像力を作品に組み込んでいます。彼は、「想像力こそがアンの本質であり、それを理解することでこの物語がさらに深く楽しめる」と考えています。
河合訳は、ただ物語を追うだけでなく、シェイクスピアなどの英文学への憧憬を理解し、原作の背景や時代性、さらには作者モンゴメリの教養を映し出した作品に仕上げています。
完全な新訳
驚くべきは、河合氏による河合訳が「完訳」でありつつ「新訳」である点です。児童向けの作品ではしばしばページ数を抑えるために抄訳が行われますが、河合訳は一言一句の原文を忠実に訳した完訳を提供しています。また、2014年に刊行されたシリーズを大人向けに改訂したものであり、より深く作品を楽しむことが可能です。
この新訳『赤毛のアン』は、読者にとって新たな発見や楽しみをもたらすことでしょう。これまで『赤毛のアン』を読んだことがある方も、初めての方も、ぜひ手に取ってその深い文学的視点を楽しんでください。
書誌情報
著者: モンゴメリ、訳: 河合祥一郎
発売日: 2025年3月22日
定価: 990円(本体900円+税)
ISBN: 9784041160084
発行元: 株式会社KADOKAWA
詳細ページ:
KADOKAWA公式サイト
この機会に、ぜひアニメ放送前に新訳『赤毛のアン』を楽しんでください!