第28回高齢者介護研究会の開催
2024年11月21日、社会福祉法人元気村グループが運営する「翔裕園」がオンラインで第28回高齢者介護研究会を開催しました。本イベントでは、全国にわたる100拠点以上の介護施設が集結し、各施設の研究発表や優秀施設の表彰が行われました。介護分野においての新たなケアの実現方法を模索し、より良いサービスを提供するための重要な機会です。
研究発表と表彰
介護研究会は、大きく分けて4つのコンテンツで構成されています。1つ目が各施設での研究発表と優秀施設の表彰です。施設では実際に抱えている課題を選定し、数か月にわたりデータを収集・分析して、その結果を発表しました。審査基準としては、PDCAサイクル、証拠の提示、客観性などの10項目が用意され、発表のクオリティが厳しく評価されます。
注目の研究発表
最優秀施設に選ばれたのは、「ななさと翔裕館」の「テーピングスマイルプロジェクト」です。このプロジェクトでは、専門性がない職員でも取り組める方法で利用者の「希望」を実現し、その笑顔を引き出すことを目標としていました。個別の機能訓練を50対1の比率で実施する中で誕生したこのプログラムは、半年の間にテーピングを用いたリハビリと身体機能の定期測定を行い、顕著な成果を上げました。ある利用者は、短い棒を振ることが困難でしたが、半年後にはゴルフクラブを振ることができるまでに回復しました。
また、優秀施設には「蓮田ナーシングホーム翔裕園」が選ばれ、「座位姿勢」を利用したノーリフティングケアを実施。約5か月の研究で得たデータから、生活の中での姿勢の改善が直接的な効果を生むことが証明されました。これにより、職員は業務の負担を軽減しながら、利用者の活力を保つ方法を見出しました。
生産性向上への取り組み
研究会では、生産性向上のための取り組みを発表するポスターセッションも盛況に行われました。「しょうぶ翔裕園」が提案した、AIを活用した業務の効率化は特に注目され、業務時間を大幅に削減しつつ質を保つことに成功しています。また「かわぐち翔裕園」では、クロスシフトと10時間勤務の導入により、職員の働きやすさが改善され、多くのポジティブなフィードバックを得ることができました。
外国籍職員の代表スピーチ
さらに、外国籍職員によるスピーチコンテストも行なわれ、「あなたが思う理想の介護」をテーマに参加者が自身の思いを発表しました。最優秀賞を受賞したのはミャンマー出身のヤダナーラインさんで、介護の現場での「笑顔」の重要性を力強く伝えました。
幸せと感動の講演
基調講演では、幸福学の専門家をお招きし、「幸せとは何か」、「感動とはいかにして生まれるのか」について深く探求しました。これは本法人設立50周年の節目に、スタッフ全員で共有すべき重要なテーマです。
今回の高齢者介護研究会は、介護分野に新たな可能性を提示する内容となり、多くの職員が情報を共有し、さらなる成長を促す場となりました。これからも元気村グループは、より良い介護サービスの提供を目指していきます。