アドバンテックとFORT Roboticsが手掛けるMIC-735
アドバンテック株式会社(東京都台東区)は、NVIDIAの強力なIGX™ T5000モジュールを搭載した新たなエッジAIシステム、MIC-735の発売を控えています。この製品は、エンタープライズ向けの高信頼性と安全性を兼ね備え、フィジカルAIを実現するための重要な技術の一つです。
NVIDIA IGX Thorプラットフォームを基盤に
MIC-735は、NVIDIA IGX Thorプラットフォームを基盤に構築されており、リアルタイムでのデータ処理と高パフォーマンスを実現しています。最大2,070 FP4 TFLOPSの計算能力を持つこのシステムは、複雑なセンサーデータを迅速に処理し、ロボティクスや自律走行システム向けに高い性能を提供します。特に、NVIDIA Halos AI Systems Inspection Labとの連携によって、機能安全を大幅に向上させました。これにより、ロボットやAMR(自動運搬車)向けのアプリケーションは、SIL認証レベルの信頼性を持つ制御が可能になります。
安全性の設計が鍵
アドバンテック副社長のMagic Pao氏は、フィジカルAIの導入には安全性と制御の統合が不可欠だと述べています。FORT Roboticsとの協業により、MIC-735は、設計段階から安全性を重視した構造になっており、開発者は変化する環境においても安心して利用できるでしょう。
FORT Roboticsとの協力
FORT Roboticsのプロダクト責任者、Amod Damle氏も、安全性は後付けではなく設計の核心であると強調しています。エッジAIプラットフォームに機能安全を組み込むことで、ロボット開発者は複雑な課題に直面しても、さまざまなアプリケーションで安全かつ効率的に運用できるようになります。これは、今後の技術革新にとって非常に重要なポイントです。
機能安全を強化する設計
アドバンテックは、MIC-735の設計にあたり、FORT Nano Safety Controller Pro(NSC Pro)との統合も可能にしました。この安全コントローラーを用いることで、外部からの安全指令を確実に受信し、リアルタイムでのリスク低減が図れます。また、MIC-735は10年間の長期運用が可能で、NVIDIA AI EnterpriseとIGXソフトウェアスタックに対応しているため、多様なアプリケーションを開発できます。
未来を見据えた技術
NVIDIA Holoscanとの統合によって、MIC-735は高精度なセンサーデータの同期が可能となり、複数のセンサーやAIプロセッサ間でのデータ通信が向上しました。さらに、このシステムは厳しい環境においても安定した動作が可能であり、5GやSFP28といった高速インターフェイスを採用しています。
実運用を見据えた設計
MIC-735は、ロボティクスと自律システム向けの最適化がなされています。特に、複雑な地形を移動しなければならない現場でも、SIL認証を受けたリアルタイムの非常停止機能(E-Stop)を提供するなど、実運用をしっかりと見据えた設計がされています。
これによって、現場で安全に運用しながら、柔軟に指令を送信できることが可能です。
2026年のハイライト
アドバンテックは、2026年3月に米国サンノゼで行われたNVIDIA GTCに参加し、この画期的な技術を発表しました。また、日本国内でもJapan IT Weekに出展し、MIC-735のデモ展示を行う予定です。これにより、国内の開発者や企業に対し、この新しいフィジカルAI技術の可能性を広くアピールする機会となります。
まとめ
アドバンテックとFORT Roboticsが共同開発したMIC-735は、高いAI演算性能と安全性を兼ね備え、今後のロボティクスの革新に大きく貢献することでしょう。デジタル時代において、社会のニーズに応える新しい技術として、これからの発展が期待されます。