アンリツ、5G機器のSAR測定を高速化する新ソリューションを発表
アンリツ株式会社は、スイスのSchmid & Partner Engineering AG(以下、SPEAG社)およびマイクロウェーブ ファクトリー株式会社(以下、MWF社)と協力し、高速なSAR(Specific Absorption Rate)測定ソリューションを共同開発しました。このソリューションの導入により、5Gおよび4G機器の開発において電波が人体に与える影響を効率的に評価できるようになります。
SAR測定の重要性
SAR測定は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器が人体に与える影響を確認するための必須評価プロセスです。この測定によって、製品が安全基準を満たしているかを判断し、安全性の高い製品を市場に提供することが可能となります。従来の方法では多くの手動設定が必要でしたが、今回の新ソリューションによってそのプロセスが大幅に自動化されました。
新ソリューションの内容
今回のシステムは、以下の3社の技術を統合したものです。
- - MWF社: 「MATEOSアンテナ測定ソフトウェア」
- - SPEAG社: 「cSAR3Dベクトルアレイシステム」
- - アンリツ: 「MT8000A/MT8821C基地局シミュレータ」
これにより、MT8000AおよびMT8821Cの設定が手動で行わなくても済むようになり、設定時間を短縮するとともに、エンジニアの負担も軽減されます。さらに、このシステムはLTE(4G)から5G NR(SA/NSA)までの幅広い技術に対応しているため、さまざまな機器に利用可能です。
業界への影響
この新しい測定ソリューションは、モバイル機器メーカーにとって非常に重要な意味を持ちます。安全性の高い製品を迅速に市場に投入できることから、競争力が向上し、消費者に信頼されるブランドへと成長する手助けとなるでしょう。3社は今後も、安全で快適なモバイル通信の発展に貢献していく意向を示しています。
企業紹介
- - マイクロウェーブ ファクトリー(MWF社): 20年前に設立されたMWF社は、電磁気工学の分野で高い専門性を誇っています。最新技術を使ったワイヤレス通信手段、車載レーダー、航空宇宙など多岐にわたる試験ソリューションを提供し、ISO 9001およびISO/IEC 17025の認証も取得しています。
- - SPEAG社: SPEAG社は、静的から光周波数にわたる電磁界の評価ソリューションを提供する企業であり、業界のリーディングカンパニーとして位置付けられています。彼らの製品は、携帯電話の電磁安全性や医療機器にまで幅広く活用されています。
このように、アンリツと協力することにより、MWF社とSPEAG社はさらに技術の向上を図り、重要な市場ニーズに応えています。今後も3社の取り組みによる新たなソリューションが期待されています。