飛騨高山・岐阜県高山市の伝統的な紙絵馬づくり
岐阜県高山市上宝町本郷で、縁起物として知られる紙絵馬づくりが最盛期を迎えています。この地区は、江戸時代中期から養蚕業が盛んで、地域の人々は豊かな生活の実現を願い、絵馬を作り続けてきました。
絵馬づくりは時を超えて継承されてきた文化ですが、戦争の影響で一度途絶えることがありました。それでも昭和60年に古い版木が見つかり、本郷絵馬委員会が設立され、絵馬づくりの復活に取り組んできました。その結果、現代でも地域の伝統文化がしっかりと息づいています。
本郷絵馬委員の11名は、6色のポスターカラーを駆使して色塗りを行い、「疫病退散」「合格祈願」「家内安全」といった8種類の願いを印刷します。最後に、毛筆でお客様の名前を記入して仕上げるこの過程では、委員たちの誇りと情熱が込められています。前委員長の堀上さんは、「祈願成就を願い、質にこだわり丁寧に仕上げています」と語ります。
完成した絵馬は、令和8年2月13日に本郷地区の本覚寺に奉納され、その後、発注者に届けられます。価格は一枚1,500円とリーズナブルで、地域の建具職人が手がけた木枠(額縁)も販売されています。これらは、伝統的な技術を駆使した美しい作品であり、手に取ることで地域の文化をより身近に感じることができます。
絵馬の注文は令和8年2月4日まで受け付けており、興味がある方は同委員会の事務局(090-2611-0412)にお問い合わせください。時代が変わっても、地域の絆や伝統がどのように守られているのか、その一端をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。