インフルエンサーがアプローチする乳がん対策
先日、ハースト婦人画報社が主催する「ブレスト・アウェアネス」に関するセミナーが開催されました。このイベントでは、メディアの編集者や影響力のあるインフルエンサーが集結し、乳がんの早期発見の重要性や基礎知識を学ぶ機会が提供されました。全体で31名が参加し、情報収集や意識の普及に寄与しました。
乳がん早期発見の重要性
セミナーの前半では、ピンクリボンブレストケアクリニックの島田菜穂子院長が乳がんの基礎知識と「ブレスト・アウェアネス」の概念を詳しく説明しました。日本での乳がん罹患率は高く、特に多忙な世代の女性たちが危険にさらされています。実際、乳がん検診を受けている人の割合は40%程度にとどまっています。
早期発見がカギとされ、2cm以下のしこりであれば9割以上が治癒する場合があります。現代では、乳房の再建や治療も発展しており、乳がんを経験した女性が社会復帰できる可能性も高まっています。島田院長は「日常の習慣として自身の胸を感じることが大切であり、何か異変を感じたら医療機関を受診するべき」と強調しました。
ブレスト・アウェアネス 4つのポイント
1. 自分の乳房の状態を把握する
2. 変化に注目する
3. 変化に気づいたらすぐに相談する
4. 40歳になったら2年ごとに検診を受ける
このように、日常的に自身の健康に目を向け、必要に応じて検診を受ける習慣が求められます。さらに、初級ピンクリボンアドバイザーについても説明され、14,000名以上が認定を受け、幅広い年齢層の方々が積極的にこの資格を取得しています。これは、健康意識の向上につながるものと考えられます。
乳がんサバイバーのリアルな声
後半では、乳がんサバイバーである増田美加さん、動画クリエイターのMegさん、モデルの佐藤弥生さんが登壇し、自らの経験や、正しい情報を発信する際の留意点について語りました。
Megさんは、初診でどの科を受診すべきかわからず、適切な窓口が見つかるまでに苦労したエピソードを語り、ゼロからの情報発信の重要性を訴えました。また、佐藤さんは、ステージ0の乳がんが発見された際の体験を共有し、乳がんといえばしこりという先入観を払拭する必要があると認識しました。
増田さんは、闘病は個人だけではなく、周囲の人たちも巻き込むことを伝え、多角的な情報発信の重要性を示しました。彼女たちは、それぞれの経験を踏まえ、自身の発信が多様なヒントや情報となることを心掛けていると発言しました。
「Social Echo Club」の取組み
ハースト婦人画報社は、発信者同士が共に学び、価値観を共有する「Social Echo Club」を設立し、より良い情報の流通を目指しています。正確な知識に基づいた発信は、無用な偏見を生まないためにも重要です。今後も、定期的に有識者を招いたイベントを通じ、知識を拡充していく予定です。
結論
今回のセミナーを通じて、乳がん早期発見と健康意識の向上にむけた明確なメッセージが発信されました。参加者それぞれが自らの経験を大切にし、より良い未来のために情報を行動に変えてほしいと願います。