現代人の8割が抱える「なんとなく不調」の実態とは？

近年の実態調査が明らかにした「なんとなく不調」の実情

株式会社ツムラが実施した「第5回なんとなく不調に関する実態調査」によると、2024年には20代から60代の約78.3%の人々が「なんとなく不調」を経験していることが示されました。この「なんとなく不調」というのは、具体的な病名が付かないものの、自覚症状として存在している不快感を指します。

健康意識の変化とその影響

調査によると、今回の「なんとなく不調」を感じる人は前年よりも11.2ポイント増加しています。この結果は、現代の生活環境や社会の変化が影響していると考えられます。特に、テクノロジーの進化に伴い、パソコンやスマートフォンを使用する時間が増え、これによる目の疲れや肩こり、さらには頭痛といった症状が賦活化している可能性があります。

男性よりも女性の方が「なんとなく不調」を感じやすい傾向があり、特に20代女性の87%がこの状態に共感を寄せています。これはホルモンの変動や、全体的に社会的なストレスが影響しているためと考えられます。

主な症状とその原因

この調査で挙げられた症状としては、トップの「疲れ・だるさ」と「目の疲れ」が同率で1位に立っています。続いて「頭痛」、「肩こり」、「寝つきにくい・目覚めが悪い」と続きます。また、調査結果では「やる気や元気が出ない」、「睡眠不足」、「気温の寒暖差が激しい」といった要因が特に多く指摘されています。

特に、気温の変動や急激な気圧の変化が「なんとなく不調」に影響を与えると感じている人が64.5%に達し、20代女性ではその割合が81%という高水準です。6月と11月は「なんとなく不調」を特に感じやすい月として認識されています。

どう対処すべきか？

このような状態に対し、42.2%もの人々が特に対策を講じていない実態も曝光されています。日常生活での軽い運動や栄養バランスを考えた食事、十分な睡眠が基本的な対策とされる一方、多くの人が何らかの対処を行っていることも見逃せません。調査対象者の約79%が、何らかの方法でこの不調に対処していると答えています。

また、気象の変化が心身に及ぼす影響については日本東洋医学会の漢方専門医、齋藤晶先生が以下のように指摘しています。「気象の変化は、単に外的な要因だけでなく、身体の内部にも影響を及ぼし、特に気圧の変化に敏感な方々には不調を引き起こす可能性が高い」と述べています。

2025年の展望

2025年も約8割が「なんとなく不調」を感じると予想され、その理由として約69.0%が気象の影響を挙げています。特に目の疲れ、疲れ・だるさ、肩こりはこれからの懸念材料となるでしょう。この調査結果は、生活習慣の見直しや医療機関への相談の重要性を再認識させます。

具体的な対策としては、こうした症状に対し早めの対処が勧められます。日常的な運動、質の高い睡眠、ストレス軽減のためのリラクセーション法が重要です。

健康を維持するために、自分の身体の声に耳を傾けることが不可欠です。改善につながる対策を日常的に意識し、心身の健康を守りましょう。特に、医療機関での相談は「なんとなく不調」から隠れている病気を発見する可能性もあるため、注意が必要です。