アース製薬とシリウス社が提携し新たな介護用洗身用具を発表

アース製薬とシリウス社が共同開発した新介護用洗身用具

介護業界が直面している問題を解決するため、アース製薬株式会社と株式会社シリウスが協力して開発した新しい製品が登場します。2025年9月1日に発売される皮膚洗浄剤「switle CareWater」は、アース製薬の先進的技術MA-T®を活用し、介護施設や医療機関での衛生対策を強化するために設計されています。この製品は、シリウス社が販売する介護用洗身用具「switle BODY」の専用液として使用され、要介護者の入浴に関する課題を解決することを目指しています。

介護現場における衛生対策の必要性

団塊の世代が後期高齢化を迎えつつある今、慢性的な介護職員の不足や介護職員自身の高齢化が進んでいます。これにより、介護者が直面する入浴の負担は一層大きくなっており、この課題を解決することは非常に重要です。要介護者が不快に感じることが多い入浴時のニオイや汚れを効果的に除去するため、アース製薬のMA-T®を基にした洗浄剤を使用することで、介護者と要介護者の負担軽減が期待できます。

「switle CareWater」は、99%が水で構成されており、肌に優しく、入浴頻度の少ない要介護者のニオイの元となる汚れをしっかりと洗浄します。具体的には、洗浄成分として使用される亜塩素酸イオンを含んだ水溶液が、やさしく皮膚を清潔に保つ役割を果たします。

switle BODY – 入浴ケアを新しい形で

「switle BODY」は、要介護者がベッドに寝たままでもシャワーを浴びたような感覚で洗身できる介護用具です。従来の入浴方法と異なり、大掛かりな準備を必要とせず、専用ソープと「switle CareWater」をタンクに入れたら、電源ボタンを押すだけで使用可能です。また、この機器は内蔵されたグラフェンヒーターで水温を38〜45℃に調整できるため、快適な洗身体験を提供します。

この製品のユニークな点は、洗浄中に液体である「switle CareWater」を吸引して循環させる機能があるため、機器内部の汚水経路を常に清潔に保つことができる点です。また、低刺激でアルコールフリーの特性により、皮膚が敏感な高齢者にも安全に使用できます。

補助金制度の導入で購入しやすく

「switle BODY」は、2025年7月に公益財団法人テクノエイド協会の「介護テクノロジー」として認可を受けたため、各都道府県の窓口からの補助対象製品となりました。これにより、最大4/5の補助率が適用される可能性もあり、購入の経済的負担が軽減されることが期待されます。

MA-T®技術の背景と応用

MA-T®（Matching Transformation System®）は、水性ラジカルを必要な時に生成し制御する先進的な技術です。この技術は、多岐にわたる化学反応や農薬など、さまざまな応用が期待されています。現在、MA-T®を採用した製品は病院や介護施設などで広く利用されており、SDGsへの貢献も視野に入れていると言います。

まとめ

アース製薬とシリウス社の協力によって開発された「switle CareWater」と「switle BODY」は、介護現場での衛生対策の新たなスタンダードを確立する可能性を秘めています。介護者と要介護者双方にとって、安心かつ快適な環境を提供し、今後の介護の在り方に新しい風を吹き込むことが期待されています。