フリーランスの日に発表された発注トレンドランキング2025
ランサーズ株式会社が12月16日の「フリーランスの日」に公開した「発注トレンドランキング2025」では、ここ数年のビジネスマッチング業界の変化が如実に表れています。このランキングは、企業から発注された仕事をもとに、各カテゴリ別の発注数を集計した結果です。特に、2025年がもたらすAIの業務利用が本格的に進行していることが背景にあります。
AIによる業務変革
2025年は「AIが生成し、人が仕上げる」と表現される新たな業務形態が確立された年となりました。AI技術の進展によって、自動生成されたコンテンツに対する調整や修正の必要性が高まり、その結果、AI生成物を専門に扱う人材の需要が一層増加しています。具体的には、デザインデータの修正や形式変換といった「仕上げ工程」が高く評価され、これが今年のランキングでは1位に位置づけられました。これは、AIの生成技術が向上しているにも関わらず、人間の判断や経験が求められる領域が依然として存在することを示すものです。
2025年問題と専門人材不足
一方で、ランサーズのランキングによると、外部委託が進む分野として「建築・インテリア・図面デザイン」や「製品開発・設計」が上位にランクインしています。これには、いわゆる「2025年問題」が大きな要因です。日本の製造業では専門人材が不足し、経済産業省が発表する『ものづくり白書2024』でもその問題が指摘されています。このため、企業はプロジェクト単位で外部人材を効果的に活用する必要に迫られています。
EC市場とSNSマーケティングの拡大
加えて、EC市場やSNSマーケティングもこのランキングに影響を与えています。「内職・軽作業・代行」や「レビュー・投稿・アンケート」が上位に入ったことは、これらの小規模業務の外部委託の広がりを示唆しています。特に、人手不足とコスト最適化の流れの中、軽作業からマーケティング支援まで、様々なタスクが外部に委託される傾向が見られます。今年のトレンドでは、企業や個人が情報発信を強化するために、動画やSNSの運用が一層重視されています。これにより、動画制作やSNS運用の外部委託もの人の手が加わることが求められています。
今後のスキル需要
2026年に向けては、「AI活用」と「専門性の外部化」がさらに進展すると予想されます。現に、AIによって生成された成果物の品質とリスク管理のためのスキルに対する需要が高まるでしょう。また、専門職人材の不足は引き続き問題であり、建築や製造業界での外部委託の一般化が進むと考えられています。EC市場の成長に伴い、制作スキルに対する需要も変わらず高く、特に画像編集やLP改善が重要視されるでしょう。
最後に、ランサーズは、これからも人とAIが共存し、互いの強みを最大限に生かせる環境を構築することを目指しています。これにより、個々人の働き方の可能性の拡大と企業の成長を支援していく方針です。