特定保健指導の成果を可視化
株式会社インサイツと慶應義塾大学は、特定保健指導の成果を視覚的に把握できる新たな評価方法を開発しました。この取り組みは、特定保健指導の対象者が多くの意義を持つことを示すもので、特にリピーターとなる方々への対応の質を向上させることを目指しています。評価指標は第4期特定保健指導における事業成果をもとに作成され、特に「脱出」に向けた進捗を明確に示す仕組みを提供します。
背景と課題
近年、特定保健指導のリピーターは増加していますが、この現象に対する理解が不足していると指摘されてきました。リピーターとなる背景には、生活習慣の改善がなされていないこと、また現行の評価方法により実際の成果が見落とされてしまうという問題があります。具体的には、腹囲やBMIが判定基準を上回っている人にとって、その数値が改善しても短期間での「脱出」は困難である場合が多くあります。
新たな評価手法
新たに開発された評価方法は、「階段を一段ずつ下りるように改善していく」という考え方に基づいています。特定保健指導においては、腹囲や体重の継続的な減少を目指していますが、急激な減少は危険を伴うことから、まずは「▲2cm・▲2kg」を目標にした短期間の成果を測定ます。評価指標は、対象者が「階段のどの位置にいるのか」「どれだけ脱出に近づいているのか」を明確にするものです。
実践に向けた検証
この新手法は、ICTを活用した特定保健指導プログラム「マイナス2・2チャレンジ」の実績データを使用して検証されました。394人の男性を対象にしたデータ分析により、実際に集団全体および個別に判定基準に近づいていることが確認され、特定保健指導の成果が正しく評価されることが実証されたのです。
見える化の意義
第4期特定保健指導において、「見える化の推進」が重要事項として提唱されています。これは国が定めた評価指標にとどまらず、保険者自身が独自に行う分析の重要性も強調されています。新たに開発された評価方法は、特定保健指導の対象者がどのような改善を実現しているのかを具体的に示し、単年度で脱出が困難な方々も含め、その実質的な成果を把握するための重要な手段となることでしょう。
まとめ
この評価方法の導入は、特定保健指導を受けている方々が自身の健康改善の進捗を把握するだけでなく、医療機関や健康保険組合にとっても貴重なデータとなることが期待されています。今後、この新たな評価手法が広まることで、より多くの人々が健康な生活を送る手助けとなることを願っています。詳細については、株式会社インサイツのヘルスケア事業グループ営業企画チームへお問い合わせください。