岡山県邑久町の牡蠣漁業が世界基準のMSC認証を条件なしで更新!
岡山県の邑久町で生産される「邑久かき」が、持続可能な漁業の象徴としてまた一歩前進しました。2025年6月12日に、邑久町漁業協同組合がMSC(Marine Stewardship Council)漁業認証の初回更新審査を“条件なし”で通過したのです。この快挙は、地域の漁業者たちの努力と意思が反映された結果であり、特に持続可能な漁業のモデルとしての評価を受けたことは、評価の高い成果といえます。
過去の成果と未来への展望
2019年、邑久町の漁業者たちは、漁業の近代化と持続可能性の実現に向けたプロジェクトを立ち上げました。そこで中心的な役割を果たしたのが株式会社マルト水産です。彼らは同町漁協と協力し、革新的な取り組みを進め、2020年に世界初となる垂下式カキ漁業のMSC漁業認証を取得しました。この認証を手に入れるまでの道のりは決して簡単ではなく、通常18ヶ月かかるところを、特例としてわずか7ヶ月で達成したのです。
その後も若手漁業者たちによる「MSCチーム」が一丸となり、環境保全活動や持続可能な操業体制の確立に向けて精力的に取り組みました。スナメリのモニタリングや自主的な清掃活動など、地道な活動が評価され、1年後には認証漁業者の数が13人から30人に増加しました。これでは若手漁業者の成長と活躍を感じさせます。
条件なしの更新審査の成功
2023年には、すべての条件を解消し、年次審査を突破しました。これは、邑久町漁協が継続して実施してきた自主的な取り組みが、国際的な基準をしっかりと満たしていたことが大きな要因です。更新審査は、原則として5年ごとに行われるもので、今回はその初回の更新を迎えました。全ての審査項目が基準を超えた結果、条件なしでの更新が認められるという非常に名誉な評価となったのです。これは日本国内でも極めて稀な成功事例であり、域内における持続可能な漁業の確立を示しています。
地域経済への影響
また、邑久かきはUMITO Partnersの支援のもと、サステナブル漁業を育てるシーフードブランド「UMITO SEAFOOD」としての取扱いも増加しています。この新たな流通の道は、地域経済への生産者の還元やモチベーションの向上に寄与することが期待されています。
未来に向けたチャレンジ
邑久町漁協とマルト水産は今後も、環境負荷の低減や若手漁業者の育成に力を入れ、脱炭素に向けた取り組みを続けていきます。UMITO Partnersも引き続き、持続可能性の維持支援や消費者への訴求を通じて、「ウミとヒトの豊かな社会」の実現を目指していく方針です。
このような先進的な取り組みを通じて、邑久町の漁業は今後も地域経済に好影響を与え、持続可能な未来を作り出す力となるでしょう。