東京二期会が10月17日に開催した2025-2026シーズンのラインアップ発表会は、オペラファンにとって注目のイベントとなりました。特に目を引いたのは、巨匠ペーター・コンヴュチュニー演出によるR.シュトラウスの《影のない女》で、イベント事業「Tokyo Opera Days」のメイン公演として関連します。この「Tokyo Opera Days」は、10月18日から27日までの開催で、東京のオペラシーンを世界に向けて発信する重要な機会となっています。
会場には東京二期会の理事大野徹也氏、事務局長山口毅氏、新シーズンの《さまよえるオランダ人》の演出を担当する深作健太氏、さらにオペラでゼンタ役を演じる中江万柚子(ソプラノ)が登壇し、彼らの熱い思いを語りました。大野氏は「東京は世界でも有数のオペラ上演都市」とし、国内外の劇場やアーティストとの信頼関係の構築を重視して、未来の舞台を提供していく意欲を示しました。
ラインアップには、2025年9月の《さまよえるオランダ人》、11月の《こうもり》、12月の《ファウストの劫罰》、2026年2月の《カヴァレリア・ルスティカーナ》と《道化師》、4月の《ルル》が含まれています。特に《こうもり》は、ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携公演で、指揮者エリアス・グランディ氏の東京オペラデビューとなります。グランディ氏はドイツと日本の文化背景を持ち、今回の公演に非常にシンクロした形で朗読される日本語の台詞が話題になることでしょう。
また、《ファウストの劫罰》では、マキシム・パスカル氏が指揮を務め、壮大なサウンドを体感できるのがポイントです。彼はオーケストラとの相性が良く、過去に名演も記憶に新しいです。加えて、《カヴァレリア・ルスティカーナ》と《道化師》は、アンドレア・バッティストーニとダミアーノ・ミキエレットの初コラボレーションによる新制作で、オペラマニアには見逃せない公演です。
そして、シーズンのラストを飾る《ルル》では、若き指揮者オスカー・ヨッケル氏が指揮を担当。かつての制限を乗り越え、フル規模での演出になるこの公演にも大いに期待が寄せられています。
深作氏は《さまよえるオランダ人》について「ワーグナーの音楽の持つ優しさ」を強調し、彼が打ち出す新たな解釈に期待が高まります。また、中江氏は「ゼンタを貫く一途さ」に挑戦し、役に全力で取り組む姿勢を見せています。
さらに、オペラ衣裳展を開催し、世界的な日本人デザイナーによる貴重な衣装も紹介されるなど、東京二期会の新シーズンは多彩なプロジェクトが目白押しです。これにより、国内外からの注目が集まり、オペラ文化のさらなる発展が期待されます。
今回の発表を受けて、東京二期会の公式ホームページには詳細情報も掲載されていますので、ぜひ確認してみてください。