抗がん剤治療は、多くの患者にとって生命を救うものですが、その副作用として脱毛が挙げられます。抗がん剤を服用している最中、外見の変化が避けられないことから、患者たちは精神的な苦痛を感じることが少なくありません。その解決策の一環として近年注目されているのが「頭皮冷却法」です。この方法は、専用の冷却装置を用いて頭皮の温度を下げることで、毛根へのダメージを最小限に抑え、脱毛を和らげるとされています。
頭皮冷却法は、すでに世界中で広がりを見せており、多くの医療機関でも採用されている治療法です。この方法により、抗がん剤治療後の髪の回復が早まるという期待が寄せられています。具体的には、治療を受ける患者の約70%が、施術後に髪の毛の脱落を軽減できると報告されています。
四国がんセンターでは、全国に先駆けてこの頭皮冷却法を導入し、すでに2000回以上の実績を上げています。しかし、四国地域内ではまだ多くの医療機関がこの技術を提供していないため、患者が受けられる配慮は限られています。これが、アイデアとしてではなく、具体的な医療行為としての規模拡大が求められる理由です。
当センターでは、頭皮冷却法のさらなる普及活動を進めています。その一環として開催予定の講演会では、これから抗がん剤治療を受ける方々やそのご家族、さらには医療関係者に向けて、頭皮冷却法について詳しくお話しします。このようなセミナーを通じて、医療機関間での情報共有を促進し、患者にとっての治療選択肢を拡充したいと考えています。
この講演会は、2025年7月19日(土)に四国がんセンターの研修室で開催予定です。説明会は午後1時30分から始まり、参加無料です。地域の患者たちにとって、抗がん剤による脱毛は精神的な負担になるので、その軽減につながる情報を得る絶好のチャンスです。
私たち四国がんセンターは、地域で唯一のがん専門病院として、患者一人一人が安心して治療を受けられるよう努力しています。当センターは、がんの可能性が指摘された時点から医療機関と連携を取り、患者にとっての最適な治療を提供しています。新薬の治験や「がんゲノム医療」など、先進的な治療法の導入にも取り組んでおり、患者に多様な選択肢を提供します。医療だけでなく、患者の生活や仕事との両立を考え、トータルに支援していくことが我々の使命です。地域住民のために、今後も様々な相談や支援を行い、心身ともに寄り添える医療を心がけています。ぜひ、講演会にご参加いただき、最新の情報を手に入れてください。