MICE業界の未来を担う若者たちが示す新たな働き方の実態とは

MICE業界の未来を担う若者たちのリアルな声

近年、MICE（Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibitionの総称）業界において、若者がどのように職業を選択し、働いているのかが注目されています。一般社団法人日本コンベンション協会（JCMA）が実施した「未来につながる働き方アンケート」は、業界内の意識や価値観を浮き彫りにする貴重なデータを提供しています。

1. 職業選択のきっかけ：興味と憧れ

20代の従事者にとって最も多い職業選択の理由は、「なんとなく面白そうだから」と「仕事内容に憧れがあった」という2つの理由です。これらを合わせると71％にも達し、MICE業界への興味が若者に強く根付いていることを示しています。特に、「面白そう」と感じることが重要視されている点は、職業観の変化を反映しています。この結果から、業界におけるやりがいや魅力が出生的な関心を引き起こしていることが伺えます。

2. 身近なロールモデルの重要性

さらに、約69.4％の20代が「目指したい存在が身近にいる」と回答しています。若者たちのキャリア形成には、身近なロールモデルが影響を与えており、自身の成長やスキルアップに向けての意欲を高めていることが分かりました。特に新入社員や若手層ではこの傾向が顕著であり、彼らは先輩や業界の成功者との接点が自身の成功に結びつくと考えています。

3. 業務上の課題：ワークライフバランス

調査から浮き彫りになったのは、業務上の最大の課題が「業務の時間」であるという点です。特に女性や従事年数が10〜12年の層においては、長時間労働が深刻な問題となっています。これは、多くの若者がワークライフバランスを求めていることを示しており、長時間労働がもたらすストレスや負担は業界全体での課題として認識されています。

4. 男女間の価値観の違い

また、男女別に見ると、女性は特に「業務時間」や「プライベート時間の確保」が強い課題とされ、社会貢献や自己実現を重視する傾向が強いことが分かります。これに対して男性は、次世代の育成や人間関係の構築に重きを置く傾向が見られます。このように、価値観の違いは業界内でのダイナミクスに影響を与えており、今後の人材育成や職場環境の改善に向けた指針となるでしょう。

5. 各年代の趣向とキャリア意識

年代別に見ると、20代・30代の若年層は自分の成長を重視しているのに対し、高年層は社会貢献や会社への貢献を重視する傾向があります。これにより、職場環境の改善や人材育成の取り組みは、年代ごとの特性を考慮することが必要です。特に、若者の間で業務が自分に合っていないと感じる割合が高く、業界への適応が問われています。

結論

MICE業界の未来を担う若者たちの姿は、興味や憧れから始まり、身近なロールモデルが彼らの成長を支えるものであることが明らかになりました。また、業務の時間やワークライフバランスに対する認識は、今後の業界の発展にとって避けて通れない課題です。それに加え働き方の価値観の違いを理解し、各年代に応じたアプローチが求められます。MICE業界における若者の活躍が、さらなる発展に繋がることを願っています。