クレジットカード顧客満足度調査2025年版、年会費やポイントが重要な要素に

クレジットカード顧客満足度調査2025年版

株式会社J.D. パワーが発表した2025年のクレジットカード顧客満足度調査の結果からは、年会費やポイントプログラムが顧客満足度に与える影響が増していることがわかりました。近年の消費者の強いコスト意識が、この結果に反映されていると考えられます。

調査概要とファクターの影響

この調査では、顧客満足度を左右する主要なファクターとして「クレジット機能」、「ポイントプログラム」、「会員向けサービス／特典」、「手続き・サポート」、加えて「年会費」の要素が設定されています。2018年から続けられているこの調査は、毎年その影響度を確認しており、2025年は特に年会費とポイントプログラムの影響が顕著でした。

具体的には、年会費が2万円以上の部門でポイントプログラムの影響度は6ポイント上昇し、年会費1万円から2万円未満の部門でも同様にポイントプログラムが影響を及ぼしています。また、年会費が無い部門でもポイントプログラムの影響が5ポイント上昇しています。このことから、消費者がクレジットカードに求める価値がより具体的になり、コストに見合った特典を重視する傾向が強まっていることが伺えます。

高まるセキュリティ意識

また、調査では顧客のセキュリティ対策に対する関心も高まっていることが確認されました。これまでは「クレジット機能」の項目の中でも影響度が小さかったセキュリティ対策が、現在では全ての部門で最も大きな影響を持つ調査結果が示されています。不正利用の増加が影響しており、顧客のセキュリティ意識は年々高まっています。

しかし、顧客からのフィードバックでは、セキュリティ対策に関する情報発信はまだ改善の余地があることが判明しており、約80%の顧客が関連する情報を認識しているものの、「見聞きしたことがある」という具体的な認知はわずか20%にとどまる結果となっています。これは、特に顧客満足度やロイヤルティを高めるための重要なポイントと言えるでしょう。

年会費の多様化とサービスの変化

ここ数年、クレジットカード市場では年会費に応じたサービスの多様化が進んでいます。高額な年会費を支払うことで充実したサービスが受けられる一方、同じ年会費でもサービス内容の制限が見られるケースもあります。また、特定条件の達成によって年会費が無料になるなどの動きもあり、会員の獲得や維持における差別化戦略の重要性が高まっています。

このような市場の変化を受けて、J.D. パワーの調査では年会費によるサービスの違いをより明確にするため、各部門の設計を一部変更しました。新たなランキングでは、年会費の価格帯が4つの部門に分けられ、各ブランドにおける主なカードの評価が行われています。

2025年クレジットカード顧客満足度ランキング

発表されたランキングにおいては、次のような結果が得られました。

- 年会費2万円以上部門（対象5ブランド）

1位：エポスカード、三井住友カード（同スコア、685ポイント）
3位：アメリカン・エキスプレス（681ポイント）

- 年会費1万円〜2万円未満部門（対象8ブランド）

1位：PayPayカード（672ポイント）
2位：楽天カード（671ポイント）
3位：JCBカード（664ポイント）

- 年会費1万円未満部門（対象9ブランド）

1位：エポスカード（690ポイント）
2位：楽天カード（667ポイント）
3位：三井住友カード（661ポイント）

- 年会費無料部門（対象11ブランド）

1位：三井住友カード（664ポイント）
2位：楽天カード（663ポイント）
3位：PayPayカード（650ポイント）

結論

J.D. パワーによる2025年のクレジットカード顧客満足度調査結果は、年会費やポイント、さらにセキュリティ意識など、消費者のニーズが多様化していることを示しています。もしカード会社がこの状況を適切に把握し、顧客の期待に応える施策を講じることができれば、満足度の向上と顧客ロイヤルティの強化が期待できるでしょう。

全体として、クレジットカード業界における顧客満足度は、今後ますます重要なテーマとして位置付けられ、カード会社にも新たな課題や機会が提供されているようです。