トリナ・ソーラーが世界初の800W越えペロブスカイトタンデムモジュールを開発
太陽光エネルギー分野で名高いトリナ・ソーラー(Trina Solar Co., Ltd.)が、最新の技術革新の成果として800Wを超える最大出力を持つペロブスカイト/シリコンタンデムモジュールを開発したことを発表しました。このモジュールは、211mm×105mmのペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池セルを搭載し、面積は3.1m²です。さらに、モジュールはTÜV SÜDからの認証を受けており、工業規格サイズとして世界初となる800Wの出力を誇っています。この成果は、タンデム太陽光発電技術の革新において重要な意義を持っています。
タンデム技術の重要性
近年の太陽光発電技術では、従来のシリコン系太陽電池の変換効率が理論上の限界に近づいてきたため、より高効率なタンデムセルの開発が焦点となっています。ペロブスカイトタンデム技術は、シリコン単接合セルの物理的な制約を超え、理論効率43%という高い目標が期待できる次世代の技術として注目されています。これにより、太陽電池技術は新たな歴史的転換点を迎え、サステイナブルなエネルギー開発に向けた新たな時代が始まるでしょう。
ペロブスカイト技術の研究開発
トリナ・ソーラーは2014年からペロブスカイトタンデム技術に着手し、南京大学や南開大学、さらには中国科学院と協力して研究を進めてきました。また、2019年には国家重点プロジェクトに参加し、その後331件の関連特許も出願しています。このプロジェクトでは、ペロブスカイトのバルクドーピングや界面処理、積層設計といった革新技術が開発され、変換効率の向上に成功しました。
トリナ・ソーラーの取り組み
トリナ・ソーラーの会長兼CEOである高紀凡(ガオ・ジファン)氏は「これはペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の分野における重大なブレークスルーです。この成功は、業界全体のタンデムモジュールの産業化を促進し、同社の技術的リーダーシップを強化します。」と述べています。
同社は「Solar Energy for All(すべての人に太陽光エネルギーを)」という理念のもと、さらなる技術革新を進め、エネルギーの転換を加速させることで持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
トリナ・ソーラーの概要
1997年に設立されたトリナ・ソーラーは、太陽光発電システムのインテグレーターとしてスタートし、現在は世界170カ国以上で太陽光発電製品、システムおよびスマートエネルギーソリューションを展開しています。「新しい産業エコシステムを創造し、太陽光発電を中心にスマートエネルギーソリューションの先駆けになる」という戦略目標を持ち、電力システム改革を支援しています。
日本市場においては、2010年にトリナ・ソーラー・ジャパンが設立され、最新のフルライン製品を国内の需要に応じて展開し、多くの成功を収めてきました。
もっと詳しい情報やお問い合わせについては、トリナ・ソーラー・ジャパンのウェブサイトをご覧ください(
www.trinasolar.com/jp)。
このように、トリナ・ソーラーの最新技術開発は、その先進性において、今後の太陽光エネルギー業界に大きな影響を及ぼすことが期待されています。