スギCLTの新技術
2025-01-15 14:08:21

スギCLTを活用した新たな準不燃材料の開発とその意義

株式会社竹中工務店、カシュー、長瀬産業、ナガセケミカルの4社が共同で開発したスギCLTに基づく新たな準不燃材料が、最近国土交通大臣の認定を受けました。今回の開発は、可燃性の木材を使用しつつも、安全性を確保した室内空間の提供を目指しています。

スギCLTは、木材を積層接着したパネルで、その特性を活かすことで、温かみのあるデザインとともに、難燃性も兼ね備えています。通常、木材を内装として使う際には、建築基準法の内装制限に準拠しなければならず、このために難燃化塗料が必要になります。ただし、従来の無機系難燃剤は透明性が低下するため、木目の見栄えが損なわれることが課題でした。

そこで新たに開発されたこの準不燃材料は、スギCLTに透明度と耐久性を兼ね備えた難燃化塗料を使用しています。この塗料は無機系難燃剤を使用せず、水ガラス系の素材を用いることで、高い透明度を確保しました。具体的には、下塗り塗料により木材と塗膜の追従性を高め、上塗り塗料によって耐水性を向上させる工夫が施されています。このことが実現するのは、スギCLTの木目を長期間綺麗に保ちつつ、難燃性能を持たせることです。

特に注目すべき点は、この塗装方法が工場だけでなく、建設現場でも実施可能なことです。竹中工務店が確立した「燃エンヌール」工法によって、現場での施工も容易に行え、実際に木材を使用した内装の木質化を進められます。この新たな技術は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとも深く関連しています。

開発された準不燃材料の特長をまとめると、まず「高い透明度」が挙げられます。おそらくガラスと同程度の透明度を有しており、木の風合いは損なわれません。また、施行前後での変化はほとんどないことが、耐久性の試験でも確認されています。この耐久性試験では、屋内使用が想定された環境下での100回の繰り返し試験に耐え、結果として一般的な屋内用塗料と同等の耐久性を有することが証明されました。

この技術は、住宅や商業施設の内装材としての新しい選択肢を提供し、木材の美しい表情を保ちながら、火災時の安全面にも配慮した使い方を可能にします。今後も、この準不燃材料の普及を促進することで、建物の内装木質化や脱炭素の推進に寄与し続けることが期待されます。これにより、より快適で安全な室内環境を実現し、持続可能な社会に貢献することを目的とした取り組みが、ますます注目を集めています。


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